ライティング考察

9月頃にライティングに関して考えてた時に自分の覚え書きも兼ねて書いていた記事、それが放置状態だったのでちょっとまとめて公開。
昼夜問わず同じ環境光の元で描きたいと思い、光源について長らく考えていた。
手っ取り早いのは昼間から雨戸を閉め切り、蛍光灯のあかりだけで製作を続けることで、しばしばこの方法で描いてきた。
しかしながら手持ちの蛍光灯のあかりは、やはりどうも自然光と比較すると不自然であり貧相でもある。
また私の好きな「暗めの絵」を描くのには、モチーフを照らすあかり(スポットライト等)とキャンバスを照らすあかりを別個に用意したい。
はてさて予算を抑えつつ導入するにはどのような光源がよいのか。
蛍光灯の管(蛍光管)にもいろいろと種類があり、中でも「高演色AAA」とか「色評価用」の表記がある蛍光管はより自然光に近いスペクトル分布を示すらしい。
これは丸形管の製品はなく直管オンリーで、しかもその辺の家電屋には置いてない。
[参考]http://www.akaricenter.com/chokkan_tokusyu/irohyouka.htm
モニターのキャリブレーション(色調整)や写真撮影には絶対的に高演色を謳った蛍光灯が有効らしいが、はたして人間の目で見る場合にどうかというのは、よくわからん。
直管型の蛍光灯器具があれば、いっちょ買ってみるんですがね…
スポットライトと言えば、やはりハロゲンランプでしょうか。

こちらは色温度が3000~3600K程度と蛍光灯より低く赤みのある色で白熱灯に近い。
しかしスペクトル分布は蛍光灯よりはるかに自然光に近い模様。
白熱球と同じく発熱量が多いようだが、ダイクロイックミラーという複層塗膜の反射鏡を内蔵した「ダイクロハロゲン」(上記画像)なるものであれば、熱線を反射ミラー後部へ逃がしてくれるので照らす対象物は比較的熱くならずに済む。
ハロゲンランプの取り付けは、クリップライトがお手軽。
電源コードと中間スイッチ付のものであれば工事もいらないしスイッチ一つでON/OFF可能。
しかし下の図、左側の様にランプを取り囲む形に反射鏡のついた器具にダイクロハロゲンを取り付けても、せっかく後ろに逃がした熱線を再反射し前方へ放射してしまうので普通に考えて意味がない。
熱のこもらない様、右側の様にランプが開放的なものの方が良いだろうと思われる。

楽天などで「クリップ」「ハロゲン」のキーワードで検索すると、ハロゲンランプ(ダイクロではない)付きのスポットライトが2000円以下で購入可能である。
ダイクロハロゲンがよければランプは後から交換すればいい。
ただし、ハロゲンランプは口金の種類が特に多様なので交換時は注意が必要である。(といってもE11が主流なのかな?)
[ハロゲンランプの型番・口金タイプ]
http://www.akaricenter.com/mame/mame_harogen_buy.htm
口金は多様だが100V/110V、12V用の球がある。
12Vの球は通常100Vの電源にトランスを噛ませて12Vに落として使用するが、事実上100Vよりも消費電力を押さえられ、12Vの50W球で100Vの75W球並の明るさを得られるらしい。
クリップライトもいいが、モチーフ設置場所がアル程度決まっているのであれば、ダクトレールを設置するという手もある。
レールの範囲内であれば自由に照明器具を移動できるし、器具の追加も容易にできる。アダプタを使えばペンダント式の照明や蛍光灯も取り付け可能で、またダクトレールから電源を取るコンセントアダプタもある。
上の画像は蛍光灯のひっかけ電源部に後づけできるタイプのダクトレール。
これだと工事の必要はないが、壁などに蛍光灯を付け消しするスイッチのある環境でないと使えない。(リモコン式のダクトレールもあるのでそれだとタブンOKだが、かなりお高い)
工事をせずに安価にダクトレールを設置しようと思うならば、下記のようなものもホームセンターで入手可能。ELPA ライティングバーシステム
天井の適当なところにネジで留め、コンセントを挿せばいい。
ライトは市販のダクトレール用のものが使える。
なにぶん金がないのでモノを買うのには勇気がいる。
かなり検討した結果、ワケあってお安く手に入れられる某メーカー製の、ダクトレールを買って自分で適当に設置する事にした。
まだあかりの問題が完全解決したとは言えないが、一応モチーフを照らすあかりを得る事はできたので、その話をまた次回。

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“ライティング考察” への3件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    どうも。フジイです。
    制作用の照明特集とはかなりマニアックですな。普通の人はこんなマニアックなネタには食いついてこないでしょうね。
    ハロゲンランプは光が均質に当たらないと聞いたことがありますが、どうなんでしょう?
    どういうことかというと、例えば、壁に光を当てると部分的に明るいところと暗いところができるみたいな話を聞いたことがあり、使用を避けてました。
    ちなみに僕は、写真撮影用の天井まで届くほどの長さのライトスタンドを天井まで伸ばし、先端を天井に固定させて、ぐらつかないようにして、そのライトスタンドにクリップライトを挟ませて、使ってます。
    これ、結構いいですよ。ライトスタンドの位置を変えれば部屋のどの場所からでも、光を当てられるし、さらに、ライトスタンドの先端のほうの天井近くに、クリップライトを設置すれば、上から落とすような光にできるし、比較的低い位置に、クリップライトを設置すれば、真横から当てるような照明にもできます。

  2. SECRET: 0
    PASS:
    とりさんが、貴重な情報をブログで提供してくださったので、僕も少し、貢献できればいいなと思い、書き込みました。
    この前の、「美術の窓」の生島さんの特集見ました?あれは興味深かったですね。モチーフを照らす照明とキャンバスを照らす照明を分けるなんて思いつきませんでした。
    それにしても、エキサイトの字数制限って面倒くさいですね。僕は新ブログをココログに変えましたが、圧倒的にココログのほうが機能が勝ってます。ココログの多機能にびっくりしました。
    広告がうっとおしいのが、たまに傷ですけどね。

  3. SECRET: 0
    PASS:
    どうもフジイさん、おひさしぶりです。
    コメントに字数制限があるとは知りませんでした…(-_-;
    ところでご質問の件ですが、スポットライトの性質上(光源からの光を反射鏡で収束させて一方向へ向ける)、たしかに中央が最も明るく、外周が暗くなります。しかし安物の懐中電灯みたく極端に明るい暗いの縞模様が出来るような事はありません。ハロゲン球のメーカーにもよるかも知れませんが。
    解決策としては、対象物から離して設置する。ワイドビーム(広角)のランプを使用する。あるいはランプの前に磨りガラスなどを設置して(そのように設計されたライトもあります)光を拡散させるなどすれば、照度は落ちますが均一なあかりが得られます。
    トレーシングペーパーを置いて光を拡散させるというのは生島さんの記事にあったと思います。
    私もあの記事を参考にさせてもらって、今ライトの前にトレーシングペーパーを置いて光を調節してみています。
    ライトスタンドのアイデア提供、ありがとうございます。
    キャンバス用の照明として、私も似たような事をやろうと物資調達中だったところです。
    これはまたいつか記事にしようかと思ってますが…なにぶん無精なもので。。

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