続・糸張り画枠

以前記事にまとめた糸張り画枠。
17世紀オランダでしばしば用いられたもので、作品製作の際、キャンバス生地よりも大きめの木枠に糸でもって張るというもの。
「糸張り画枠」の描かれた一枚の絵と想像からの推測だったのですが、以前は以下の様に締めくくりました。

木の枠に糸で宙づりにしたのではブヨブヨして描きにくいだろう。よって「木枠」に張られたのではなく「板」に張られたのではないか。もしそうであれば「糸張り画枠」ではなく「糸張り画板」と呼ぶべきではないか。

先日、フェルメールについてやたらと詳しそうなサイトを眺めている時に、糸張り画枠の絵を発見しました。

“Gerrit Dou(1613-1675)”によって描かれた作品の様です。
これは明らかに「画枠」です。キャンバスと木枠の間に空間があるのがハッキリとわかります。
恥ずかしながら不勉強で”Gerrit Dou”なる画家が誰なのか存じ上げませんでしたが、レンブラントの弟子だそうで。 参考:Wikipedia

そーいや”石鹸の泡を吹く少年と静物”は国立美術館でデ・ヘームの隣あたりにありましたね。
フェルメールはしばしばDouの作品を参考にして作品を製作した様です。
チラっと検索してみましたが、この糸張り画枠の描かれた作品のタイトルや他の大きい画像等はまだ見つけられてません。

今のところ上記フェルメールのサイトで見つけたこの小さい画像しか「木枠」であったという証拠(?)は無いのですが、もうすこし注意深く観察してみるとしましょう。
木枠に等間隔につけられた黒い点。クギにしては点が大きすぎる気がしますが、穴でしょうか?
布のたわみ具合を見てみると、キャンバスは全てのクギ(だか穴だか)に対して糸で張られているのではなく、縦軸に関しては一つ飛びくらいの間隔になっています。

クギにしろ穴にしろ、使い回しの為にあらかじめ木枠に施しておかれ、キャンバスの大きさによって糸を張る位置等、調整したのでしょう。
引っ張られた部分と黒い点の位置関係は概ね対応してますが、右の縦軸に一箇所、明らかに位置がズレている箇所があり気になります。


黒い点は単なるマーカーだったりして。
※この記事には続編があります。

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“続・糸張り画枠” への2件のフィードバック

  1. おお。貴重な情報どうもです。
    まだ上京はしてません。
    しかし講演日はまだ個展期間中なので行けないでしょうなぁ…

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