天然ウルトラマリンの抽出 ~最高の青

4gのラピスラズリ顔料(+4gの樹脂・蝋)によるパテで抽出実験を続けていますが、まだこれといった「最高の抽出条件」を特定するには至っておりません。
しかしながら、先日は今までで最高の青を取り出す事に成功しました。

以前、油を加えて合成ウルトラマリンと比較したものよりも、もっと濃い青です。
抽出作業の最初の方ほど、よい青が取れるとの事ですが、しかし抽出できる顔料の色味には「何度目の抽出か」の他にも重要な要素があります。
それは以前も話題にした「粒の大きさ」、正確には「粒の重さ」です。
以前の記事では「粒が小さくなるほど色が悪い」という結論に至っていましたが、こと抽出後の顔料の、ある選り分けの手法については真逆の事が言えます。
抽出後のウルトラマリンには様々な大きさの粒が混ざっているのですが、その中からさらに良い青を取り出そうとすると必然的に小さい粒=軽い粒になるのです。
お椀の中のウルトラマリンが溶け出した水をくるくるとかき混ぜてから沈殿させると、中心部に重い粒子が、周辺部に軽い粒子が溜まります。
濡れた状態では白い粒は透明になって見えず、その為粒子の集まった中心部が最も濃い青になっているのですが、沈殿した顔料の分布を崩さない様、上澄みをスポイドで捨て、さらに完全乾燥させた状態を見ると、中心部には濃い青と共に大きい白も大量に溜まっているのです。
結果、中心部の青は不純物が多く粒子も大きい、いまいちな青となり、周辺部の薄く広がった青をかき集めたものの方が、より良い青となるのです。
今回取れた最も良い青の取り出し方は以下の通りですが、これ以外の要素によるものかも知れませんし、まだ確信は持てません。
・抽出には水温40℃ほどの0.4%炭酸カリウム水溶液を使用
・抽出時間は1回につき10分
・4~6回目の抽出による灰汁を全て足す(たまたまこの回数の灰汁で試しただけです)
・沈殿・洗い作業を経た後、くるくるかき混ぜてすぐにまだ青い上澄みを別容器に移す
・残った濃い方にお湯を足し、またくるくるかき混ぜて数時間沈殿させる
・上澄みをスポイドで捨てた後に乾燥
・周辺部の青のみを掻き取る
粒子の沈降速度差を利用した選り分けなので、いわゆる「水簸(すいひ)」と言えます。
水をくるくる回して碗の中心に大きい粒を集める手法は何と呼ぶのか知りませんが。
別容器に分けた上澄みの方も同様にして青を取り出しましたが、青の濃さについては上記のものよりも薄目でした。
この薄目の顔料を選り分けておくことで、より青い顔料が取れる様になるのでしょうか。
たまたま得られた今回の最も青いウルトラマリンを、今使用している程度の原石から常にいくらか得る手法を確立したいものです。

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3件のコメント

  1. SECRET: 0
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    ご苦労様です(^^;
    色味が違って、ある程度その選り分けができるようになったら、
    青の使い分けできれいな絵とか仕上げてくれそうなので期待してますw

  2. SECRET: 0
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    >くろす氏
    抽出して取れる色は、厳密に見ると全て異なると言えます。
    似たものはまとめますが、全体的な色味だけではなく、粒の大きさ、不純物の多さなどでも分類できるのでどんどん種類が増えてゆき、10種類以上になっています。
    管理が面倒ですね…
    >2さん
    以前も述べましたが、特に何かの目的の為に作っているわけではありません。
    何に使うかはおたのしみで。。
    余談ですができればお名前は統一いただけると助かります。

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