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- 川田祐子ゲスト
初めまして。ダンマールについて調べている内に、鳥越さんのYouTube動画に辿り着きました。貴重な情報、ありがとうございます。私は、古典技法をソースに、抽象絵画を制作して来た作家です。画材や下地作りをあれこれ調べるのが好きです。最近は、マックス・デルナーの絵画技法書からヒントを受けて、ダンマール と油絵の具で有色下地を作ってから油彩またはテンペラで線描しています。とても滑らかな風合いが気に入っているのですが、W&Nのダンマール ワニスを使うたびに、手や顔の肌が荒れて困っていました。「テレピン」がどうしても身体に合わないようなのです。そこで、色々ネットで調べている内に、カナダのKAMA社?の蜜蝋にダンマール を混ぜる時に、温めて混ぜると説明されていた記事を読み、初めてダンマール が熱で溶けることに気づきました。そこでどう温めたら良いか調べて鳥越さんの情報を知ったのです。ホットプレートがとても使うやすそうでしたので、私もメルカリで中古のものを早速購入しました。ところで、質問なのですが、ステンレスのミルクパン に残ったダンマール は、どのように処理されていますか?温め直せばまた使えるものなのでしょうか?それともお湯などで洗い流せますか?また、作った画溶液は、冷めると固まりますか?蜜蝋ではなくリンシードオイルなどと混ぜれば固まらなくなるのでしょうか?教えて頂ければ大変助かります。
鳥越一穂キーマスターはじめまして。動画ご覧頂きありがとうございます。
テレピンが身体に合わないとの事で油彩では難儀しそうですが、まあメディウムも市販品ではなく自製すればいいですし、そもそも昔は描画中に揮発性油を使わなかったかも知れませんから、そちらの方向で追求すれば古典的な表現が可能になるかも知れないとさえ思います。
以下ご質問に対してお答えします。>ステンレスのミルクパン に残ったダンマール は、どのように処理されていますか?
容器に残ったダンマルの処理ですが、温めながら布などでぬぐったあと、残ったものは「テレピン」でごしごしするのが定番です。ペトロールやアルコールではスッキリ取れないかも知れませんが少しなら取り除けるかも知れません。お試し下さい。
ダンマルのみを溶かす容器と、蜜蝋を溶かす容器を別々に用意されているのであれば、最初に分量を計って同じ容器で溶かすようにしてみてください。蜜蝋とダンマルの混ざったものの後処理であれば、アルコールで拭き取れると思います。>温め直せばまた使えるものなのでしょうか?
ダンマル樹脂に熱溶解、放熱固化を繰り返させた場合の性質の変化については資料を持ち合わせず経験的にもわかりません。温め直せば使えるかという問いに対しては、使えます。ただそれを繰り返して最初と同じ結果が得られるかどうかわかりません。ぜひご自身で検証してみて、ご報告下さい。
>それともお湯などで洗い流せますか?
手洗い程度のお湯では洗い流せません。仮に熱湯を流し入れ柔らかくできても水飴のようになるだけで液体にはなりません。そして冷えると固まるので収拾がつかなくなると思います。最悪配管が詰まる可能性が考えられます。
>作った画溶液は、冷めると固まりますか?
どのような組成で作った画用液ですか?
蜜蝋とダンマルを熱で溶かし混ぜただけのものは当然固まります。「画用液」とは呼べません。>蜜蝋ではなくリンシードオイルなどと混ぜれば固まらなくなるのでしょうか?
ダンマルとリンシードオイルという事であれば、分量比によると思います。
通常添加する程度の量であれば冷めて固まる事はありません。川田祐子ゲスト丁寧なご回答、ありがとうございます。とても参考になりました。やってみないことには、何もわかりませんので、色々試してみて、行き詰まったら、またご質問させて下さい。古い時代には、やはり揮発性油は使われなかったのですね。とにかく今日も、このところの雨続きで、アトリエの窓を開けられず、テレピンの匂いと、肌荒れで困っている状態です。今日届く予定のホットプレートに望みを託していた下地作りに励みます。今後ともよろしくお願い致します。
鳥越一穂キーマスター古くは揮発性油を使わなかったかも知れないという意見は、単に私の憶測に過ぎず確かな情報が書き残されているわけでも何でもありませんのであしからず。
アトリエの広さがどの程度かわかりませんが、揮発性の溶剤を使う際は必ず換気してください。身体に合わない場合はなおさらです。換気扇・換気口を設けられない場合、換気機能付きのエアコンを導入する手もあります。能力的には心もとないですが。
お試しになられて得られた経験はぜひお知らせ下さい。
また不明な事が出てきたらご質問下さい。ちなみに今回のやり取りはトピックを新たに設置しそちらへ移動させる事にします。
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