荒木慎也 「石膏デッサンの100年」

アカデミーでのデッサン指導がどのようなものであったか、その一端はシャルル・バルグのドローイングコースでご紹介した通りです。
では日本国内ににおけるデッサンの指導とはどのようなものだったのか。

こちらの書籍は主に日本国内において長らく“芸術の本質”として扱われてきた石膏デッサン指導の変遷を追うもので、東京藝術大学の前身である東京美術学校、工部美術学校からはじまり、それらを取り巻く環境として発展してきた予備校群のデッサン指導についてかなり細かく精査しまとめられた良書です。

アカデミーにおいて石膏像/石膏デッサンがどのように利用されたかについても触れられており、本書の上でも西洋と日本のデッサン指導がいかに乖離しているのかを知ることができます。またアカデミーのデッサンを主眼に国内のデッサンを眺めた際の、“なんでこうなった”感をすっきりさせてくれる一冊でした。続きを読む →

染料系顔料 赤色編

rosemadder

ここのところずっと松川さん主導シリーズが続いてますMedici動画ですが、「今年は染料系顔料で行こう」とのお達しを受け、シリーズ収録しています。

染料と顔料の違いは厳密に言うとなかなか難しいところがあるので動画中では割愛していますが、単純に言うと水に溶ける色は染料、溶けない色は顔料。と思っていていいです。
水に溶けてしまうような大変微粒子の色材は、そのまま油で練ってペースト状にできるようなシロモノではないようです。
そこで、通常はレーキ化と呼ばれる工程を経て顔料化し、それを展色材で練って水彩絵具にしたり油絵具にしたりしています。
我々が染料「系」顔料と呼んでいるのは上記のように染料を顔料化させたものを指しています。

古くから使われた天然の赤色染料と著名なレーキ顔料を取り上げ、原材料についても言及し展開していきます。続きを読む →

映画「天使と悪魔」から見るバロック芸術

天使と悪魔

公開から時間が経過しておりますが、映画「天使と悪魔」を通してバロックについて見てゆくMedici動画シリーズの紹介です。
前回の「王は踊る」に続き映画を通してバロックを語るシリーズの続編となります

冒頭、ルネサンスとバロックの違いを絵画・彫刻・建築の面からごく簡単に解説。
「天使と悪魔」では建築や広場が重要な要素となるのですが、動画前編は劇中にも登場するサンピエトロ大聖堂を取り上げ、建築の特徴などを見てゆきます。
現在のサンピエトロ大聖堂はルネサンス期とバロック期をまたぎ紆余曲折を経た大変に工期の長い建築で、調べると興味深い部分がたくさん出てきます。動画ではその一端を取り上げて話題にしています。

 

後編では映画の場面紹介をしつつ、劇中に登場する広場や彫刻を注目していくとバロックの雰囲気が分かるかもねという解説です。
終盤には「天使と悪魔」でもテーマとなっている教皇選出会議のコンクラーベを取り上げた映画、その名もずばりの「コンクラーベ」を紹介したりしています。

 

前回述べたようにバロック絵画の“誤解”を解き、さらに絵画だけではなく、建築・広場、街づくりからバロックを見ると楽しいよという事で締めています。

私自身、個々の絵画について観るにとどまり、しかも中心は17世紀オランダ絵画であって体系的に観る視点は欠けていますので、もう少し勉強しても良いのだろうなという気がしています。

 

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