ゴールデンテクニカルインフォメーションにある通りの手法で張ってみようと、文中に紹介されていたMooreR100-5のアルミヘッドプッシュピンをアメリカから購入。
Moore社のプッシュピンは日本でも輸入モノが販売されてますが、このピン足の長いタイプは調べてもまず売ってませんで。
ピンを利用する場合、ピンが邪魔して普通の張り方では難がありまして、やはり下図の様にテーブルに置いた状態で張るのがベストでしょう。
ピン足の長いものを手に入れるのに結構難儀しましたが、結論からいうと日本でも手に入る普通の長さのもので良いと思います。
上の図にも見られる様に、記事ではピンを途中まで差し込んで仮止めしてあるのですが、日本の様にキャンバスをピンと張る場合はピン足の短いものを根本までトンカチで打ち込んだ方がよろしいでしょう。
プッシュピンはトンカチでの打ち込みに耐える様、プラスチックではなくアルミ製のものを買いましたが、鉄のトンカチでぶっ叩いたらキズやヘコミがすぐ付きます。
プラスチック製ハンマー必須。
ステンレスヘッドのプッシュピンがあれば、強度的には期待できますが。
またヘッドが堅くても、ピンとヘッドは一体成形ではなく接着してあるだけなので、引っこ抜く時に2,30本に1本くらいの確率で針が抜けてしまいます。
ピンで留めてしっかりと張れたならば、ステープルで固定して完成となるワケですが、ここにも落とし穴がありまして。
木枠横面にはピンが並んでいるため木枠の裏側にステープルを打ち込むのですが、ピンからステープルを打ち込む位置までの木枠に回り込んだキャンバス布にはテンションが全く掛かっていないわけで、つまり、普通に折り込んでステープルを打っただけではピンを抜いてしまうとキャンバスがゆるんでしまうワケですな。
それを回避するにはステープルを打つ際にさらにキャンバス布を引っ張る必要があります。
めんどくさい事この上ない。
案の定、指で引っ張ってステープルを打ち込む程度では、ピンを抜いた後キャンバスは少しゆるみ、叩いた時の音が低くなりました。
記事にはこの点についての注意書きなどなく、やはりあちらの張り方は日本式と比べるとキャンバスの張り具合に対して寛容なのではないかと思わされます。