カテゴリー: キャンバス
現代的な支持体について
美術の窓への寄稿についてのお話はこちら。 寄稿記事では支持体についてかなり端折ることになったと以前申しましたが、古典的、伝統的な支持体については当ブログの書籍紹介にも載せている森田恒之著「画材の博物誌」をあたるべきです。...
額縁との癒着防止 鳥越式マットボード片スペーサー
油彩画の額装時、多くは描画面の一部が額縁と接触する構造になっている為、作品と額縁とがくっついてしまい取り外しの際に絵具の層が剥離する事故が多発します。 描画面がザラザラした木地と触れる分にはまだいいのですが、特に安価な額...
目止め(サイズ)について <3> PVAとPVAc
目止めの話が続いておりますが、日本においては市販のキャンバスの多くがPVAによるものらしく、膠(にかわ)はもう既に一般的ではありません。 しかし膠は画材用品として入手可能である一方、PVAは画材として販売されておらず、自...
目止め(サイズ)について <2> 目止め検証
亜麻生地に油が接触すると後々酸化によって劣化してしまう …という事はよく言われる事で、油彩画において油の浸透を遮断する「目止め=サイジング」は物理的に重要な要素の一つではないかと思います。 実際に「油の浸透が原因で劣化し...
目止め(サイズ)について
たびたび紹介しておりますゴールデン社の情報誌「JUST PAINT」アクリル絵具の大手が提供するものですが油画描きにも非常に有益な情報が満載でありまして、ターナー色彩のサイトには和訳された記事が掲載されており必読でありま...
フェルメールの地塗り
新年一発目は古吉さんのブログで挙げられてました、フェルメールの地塗りについてです。 「美の巨人たち」で修復家がフェルメールの技法を再現するシーンで使っていたキャンバスの地塗りの色は、当方の環境では若干赤みを帯びた、比較的...
地塗り材 Williamsburg LEAD OIL GROUND
近頃はウサギ膠による目止めのみが施されたフナオカ製のキャンバスへ、上記Williamsburg製の地塗り材をゴムベラで塗って使用しております。これがなかなかよい感じ。▼1層塗り ▼2層塗り この地塗り材はリンシード練りの...
やはりキャンバス木枠の縁にはなにがしかの配慮が必要かと
先日の記事の続編という形で。 張ってから2年ほど使わずにとっておいたキャンバスをはがしてみました。 フナオカ製のF No.1極細。かなり薄い生地です。 このキャンバスには張った後に赤茶系の色を塗ってあります。 上の画像は...
キャンバスのくっつき防止と裏面保護
ニス掛けの為に里帰りしている作品ですが、ニスの他にいくつかの処理を施しました。 近所で材料が揃わなかったりなどもして、お客様には大変長らくお待たせして申し訳ありません。 さて、ニス掛けはまあ普通にアクリルニスを塗布したと...
キャンバスの消費期限
安物USBマイクロスコープを買って市販のキャンバス生地を拡大してみました。 (同じ倍率で撮った裏面の画像を表面拡大図の下に載せました) ▼フナオカで一番細目のF No.1 極細 購入から2年 ▼F No.1フラット仕上げ...
キャンバスを角から張る (4)
「キャンバスを角から張る (2)」の問題点は完全解決をみておりませんが、「キャンバスを角から張る (3)」の問題はどうにか解決できた様です。 木枠側面にプッシュピンを刺し、木枠裏面でステープル留めする際には”...
キャンバスを角から張る (3)
ゴールデンテクニカルインフォメーションにある通りの手法で張ってみようと、文中に紹介されていたMooreR100-5のアルミヘッドプッシュピンをアメリカから購入。 Moore社のプッシュピンは日本でも輸入モノが販売されてま...
キャンバスを角から張る (2)
キャンバスを角から張る手法を以前紹介しました。 理屈では良い手法だと思いますが、実際やってみるとこの張り方には重大な問題点があります。 以下、張り方と問題点を画像で説明。 プライヤーを2つ使って二方向へ同時に引っ張れば良...