以前、古吉さんのブログでも紹介しておられた丸栄ガクブチの筆。
>> 青木敏郎先生考案の筆
少し前に”あるお方”からなんと豪華五本セットを頂いてしまいました。恐縮すぎます。。
実は昨年、疋田画伯にも2/0号と0号を買って頂いていたので、今回ほとんどのラインナップを手にした事に。
一般的な丸筆と違い、毛足が短く筆先が丸みを帯びているのが特徴で、細部の為の丸筆ではなく「面で置く」為の丸筆と言うことになろうかと思います。
さほど多様な筆の使用経験がない私にこの筆は、新たな描画スタイルを開拓してくれました。
まだ「使いこなす」程ではなく多少大げさかも知れませんが、以下使用感などをレポート。
同じ程度の径を持つ平筆と比較した場合、丸筆である分 毛の量が多い為、絵の具の「含み」が断然違うという印象です。
その為、ポンポンと絵の具を置くのも心地よいですが、広い面を塗る作業も効率が上がった気がします。
また力の加減で絵の具を置く面積を調節できるので、使いようによっては平筆だと大きさの違う筆が2本、3本必要なところを1本で補えそうです。
▼赤い点々の上段がR3020の6号、下段は他社平筆4号。R3020の方が置ける絵の具の面積に幅がある事がわかるかと思います。
ただ、6号以下の筆は使いたての時、割と先端が尖ってしまいます。
▼4号と6号。使用頻度の低かった6号の方が油を含むと先端がまとまって尖る
細部を描くのには良いですが平筆の様に筆を滑らせて塗ろうとすると、下の画像の真ん中から左側の様な先端の尖った筆跡になってしまい、これだとボカシやグラデーションには適しません。
右半分の筆跡は筆を滑らさず、ポンと置いたものです。今は使っているうちにどれも先端の尖りが無くなってきた感じですが、これが筆にとっては良いことなのかどうなのか…。
8号以上の筆は、割と最初から尖った感じは少なく、ボカシにも使えます。
小さめの筆はより毛足が短くなるので結構なコシがあり、絵の具をポンポンと置くのが心地よいです。
柑橘系を描くのが楽しくなりますよ。その描き心地は、若干でもフェルメール気分を味わえるんではないでしょうか。
ぜひぜひ、おためしあれ。