東京の世界堂にメールしたところ、所望した全てのルフラン製品が通販可能との事だったので注文した。
ネットで検索してもこれらメディウムの使用感などを書いたものは見あたらないので、もしかしたら本邦初のレビューを書きます。
使い込んでないので後々書き直す可能性は大。
今回購入した中では一番堅く、希釈するのも筆で少しずつ壊しながらでないと溶けてくれない。
色は透明だが濃いめの茶色。かなり強い
乾燥剤が入っている為、恐ろしく早く乾き出す。
テレピンで薄めていても、少量をパレットや油壺に出しておくと2,3時間もすればどろっどろになるのでちょくちょく薄め直さないと制作できない。ヌーベルセンターのルフラン画材解説書「油彩画の技法」には、薄める際は メディウム1:テレピン2 とあるが、この分量比でもかなりトロ味のあるメディウムとなり、乾燥が早すぎる。個人的にはその倍以上薄めていいと思う。加えて、希釈にはテレピンよりアスピック(スパイクラベンダーオイル)がいい。
試しに上記1:2の希釈分量でこのメディウムのみで描いてみたところ、つや引けに悩まされ続けていたシルバーホワイトも適度なツヤを持ったまま翌日には触指乾燥し、触った微妙な触感はシリコンのような弾力をもっている。
もともと乾きの遅いバーミリオンはさすがに1日では乾かなかったが、2日後には乾いた。
上記解説書には「描き始めにはごく少量を使用すること」とあるが普通のメディウムと変わらない描き方をしたので多すぎたかも。
二層目の着色時にシルバーホワイトがツヤ引けしてしまったが、希釈分量が正確ではなかった為、上層の方が薄くなってしまっていた可能性が高い。
乾燥が早い点を強みとして使うならば非常に短期間での制作が可能になると思う。
乾燥があまりに早すぎる為、単独で使用するものではないのかも知れない。
希釈にはアスピックを使い、スタンドオイルを加えるなどしてよいかも。
マスチックを加えると更にとろみが増してしまうだろうか。
成分は
・マスチック樹脂
・リンシードオイル
・スパイクラベンダーオイル
・乾燥促進剤
糸を引くほどとろみが強く、若干茶色がかった透明。
盛り上げは完全に不可能で塗るとじわじわと平らに広がってゆく。
クセをつかめばボカシに最適かも。
流動性が高く凹凸に敏感に反応し、凹部にメディウムが溜まる為、グレーズには注意が必要。
乾燥剤が入っている割には乾きが悪く、5日経ってもべとつく。
乾燥後は他者メディウムと違って乾燥後は堅いマチエール。
「油彩画の技法」には仕上げ段階に薄く使用する事とある。
成分は
・スタンドオイル
・乾燥促進剤
中身の画像は後日。
最も透明で、上記二者の中間の堅さをもつ。(バンテリンの様な感じ)
非常にやわらかいが、筆後を残す事が可能。
若干厚めの透明層を作れるのでグレーズに応用するとよさそうだが、乾燥が異様に遅いため実用的ではない。
乾燥剤が入っているようだが、単独では薄くほどこしても4,5日ではべとつくほどにも乾燥しない。使用する際は相当な乾燥時間を覚悟しておく必要がある。
ラッカーメディウム同様、仕上げ段階に薄く使用する事とある。
乾燥後は弾力があり、堅めのシリコンのような感じになる。
成分は
・ポピーオイル
・乾燥促進剤
・ペトロール
中身の画像は後日。