古典の静物画にモチーフとしてよく登場するものに白鑞(しろめ:錫と鉛の合金)の製品群があります。
英語では”Pewter”、フランス語では”Etain”、ドイツ語では”Zinn”と呼ぶこの合金は、かなり柔らかく加工性に優れる事からあらゆるテーブルウェアの素材として重宝された様です。
錆びが来ず上品な光沢をもつ金属で、古典画にはその美しい光沢をまとった皿や水差しがよく描かれています。
しかし時を経ると黒っぽく変色して独特の味を醸し出し、これもまたモチーフとして魅力的。
古いモノを手に入れてその独特の味をキャンバスに再現するのもよし、真新しいレプリカを手に入れて過日の画家たちの追体験をするもよし。
タイトルのZinn Krugはドイツ語で「しろめの水差し」の事です。
どう発音するのかは知りません。頭ん中では「ジンクラッグ」と勝手に呼んでますが。
画像の3つの水差しはいずれもドイツのオークションサイト(eBay)で落札した品で、そんなに古いものではありません。
左のものが一番古く、結構いい味出してます。胴体のひねったような装飾が気に入って落札。
真ん中のものは古典画でたまに見る型で、オークションで発見して「おおっ」と興奮気味に思わず購入。
一番右は最近のもので、まだ新しめの光沢を放っています。
本当に骨董価値のある品はバカ高い値がつくのですが、こんな感じのものならヘタすると2,000円くらいで落札されていたりする事もあります。ウハウハですな。
しかし残念な事に、日本までの送料が5,000円は下らないのでなかなか難しいところです。
もちろんモチーフとして購入したものなので、いずれ作品に登場する事になります。
乞うご期待。
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色目がいいですね~
金属は時を経て美しくなるものと醜くなるものが極端ですが、
時を経て美しくなるのはいいですね。
作品楽しみにしてます
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おおっ、良い形ですねえ。
モチーフ探しの情熱は青木先生に負けませんね。
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>か ず氏
美しいか醜いかは見方によるとも言えますよね。
普通に使う分には、欠けやヒビの入った皿などはみすぼらしいと感じるでしょうが、それらも時を経ると魅力になります。(真新しいキズは頂けませんが…)
モチーフに使うには完全にキレイなものより、そういったアクセントがあるものの方が面白いし描きやすいんですよね。
>古吉さん
水差しひとつとっても面白い形のものがいろいろあるんですよねえ。
先日もそそられるものを落札したので、届いたら公開します。
モチーフ探しに時間掛けすぎて、描く情熱が及んでないんじゃないかという危惧が…(^_^;)
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私はちょっとでもくすんだ金属を見ると磨き上げて
油やワックスなどの保護剤を塗りこんでしまいます。
古びた味わいも何もあったものではないですね…。
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>牧氏
ピカピカもくすみもどっちも魅力ありますからね。
適材適所です。
ピカピカのモデルガンもいいですけど、エイジング塗装してあるヤツもいいでしょ