地塗り材 Williamsburg LEAD OIL GROUND

近頃はウサギ膠による目止めのみが施されたフナオカ製のキャンバスへ、上記Williamsburg製の地塗り材をゴムベラで塗って使用しております。
これがなかなかよい感じ。

▼1層塗り


▼2層塗り

この地塗り材はリンシード練りの鉛白に大理石粉を混ぜた結構固いペースト状のもので、刷毛などでは塗れず、ヘラでぐいぐい押し広げながらこそぎ落として仕上げます。

結構吸収する地になるのでいくらかリンシードを足し、結果的に少し柔らかくして塗っているわけですが、この時期でも一日で指触乾燥してくれます。
有色地にするためと乾燥を早める為にローアンバーを混ぜているので、それがこの抜群の乾燥速度にいくらか貢献しているかも知れません。

アトリエラポルトの佐藤先生に固い地塗り材と柔らかい地塗り材ではドチラが良いのか尋ねてみたところ、メーカーの地塗り済みキャンバスは効率よく大量に作業する事を優先してドロドロの柔らかい地塗りを使っているだけで、結局それでフラットな仕上げにしようとすると何層も塗らなければならず3層塗り4層塗りという謳い文句の製品になる。固い地塗り材を使えば作業は大変だけど一発でフラットに仕上げられるはず。との事。

薄く均一な層に仕上げるには左官の様な技術が必要ですが、ヘラでこそぎ落としながら塗るのは簡単です。
その場合、層が薄く地が露出するのでやはり2層は塗ってあげますと前述の画像の様に良い仕上がりになります。

いいね!を押して
Facebookページをフォロー

Twitter で
LINEで送る
Pocket

“地塗り材 Williamsburg LEAD OIL GROUND” への9件のフィードバック

  1. SECRET: 0
    PASS:
    初めまして。
    いつも貴重な考察とても参考になります。
    こちらの地塗り材、私も試してみたいのですが、海外通販などで購入できるのですか?

  2. SECRET: 0
    PASS:
    >tomoさん
    はじめまして。お返事遅くなり申し訳ありません。
    残念ながらアメリカの大手画材通販ショップはこのところ輸出規制が厳しくなり、この製品も簡単に手に入れることが出来なくなってしまいました。
    マイナーショップで通販に対応してくれるところを探していますが、どうしてもと仰る場合は非公開コメントでメールアドレス等ご連絡頂ければ入手できそうな際にご連絡します。

  3. SECRET: 0
    PASS:
    ご返信ありがとうございます。
    そうなんですね。好きな海外の画家のサイトで紹介されていたので興味を持ちましたが、現状では入手は難しそうですね
    油絵初心者で画材に詳しくないのですが、ホルベインのクイックベースやW&Nのオイルペイントプライマーなどでも同じような感じにできるのでしょうか?
    中目のキャンバスに塗ってフラット地を作りたいと思っています。

  4. SECRET: 0
    PASS:
    >tomoさん
    ご提示の2製品については使ったことが無く満足なお答えができませんが以下ご参考までに。
    ホルベインのクイックベースについてはチタン白、リンシード、アルキド樹脂、石油系溶剤という組成となっています。この時点で私の選択肢には無いのですが、溶剤のおかげでつや消しの食いつきが良い塗面ができるのかなと想像します。
    W&Nのオイルペイントプライマーについてはアルキド樹脂が使用されている事以外、組成が不明です。
    おそらく両者ともWilliamsburgの地塗り材とは考え方が根本的に異なる気がします。
    キャンバスをフラットにしたいだけであれば、柔らかい地塗り材でも塗って削ってを繰り返せば良いので手間と技術(慣れ)次第かと思います。その際は毒性の無い素材のものが良いでしょうから、ご提示の製品のようなものの方が良いと思います。
    いずれにせよ私の監督下に無い自称「素人」の方へむやみに毒性のある製品を薦める事は避けるべきなので慎重にならざるを得ませんが、各社からチタン白(チタニウムホワイト、酸化チタン)ベースの地塗り材、ファンデーションホワイトが販売されていますので、問い合わせてみられるのが良いと思います。

  5. SECRET: 0
    PASS:
    解説ありがとうございます。
    素人が安易に海外の製品に手を出すのは危なそうですね。とりあえず国内で流通している物で試してみたいと思います。
    ご丁寧に回答いただいてありがとうございました。

  6. SECRET: 0
    PASS:
    > tomoさん
    海外製品が危ないというわけではありません。国内製品でも毒性のある画材は多く存在しますので、組成を確認して中身をわかった上で使用する事が大事だと思います。
    国内メーカーですと日本語で問い合わせでき、なおかつどこのメーカーも親切丁寧に回答頂けますので、その点安心と言うことはできると思います。
    ご希望に沿う良い製品がみつかる事を祈ります。

  7. はじめまして。いつも興味深く参考に勉強させていただいています。
    Williamsburg LEAD OIL GROUNDは現在Williamsburg TITANIUM OIL GROUNDで海外サイト検索出来ましたが、購入することはできませんでした。なんとか購入して、試したく思うのですが・・・現在、国内での使用は難しいのでしょうか。

    • >TERRANOSTRAさん
      いつもご覧頂きありがとうございます。
      ご質問の件ですが、まずLEAD OIL GROUNDの主成分となる鉛白とTITANIUM OIL GROUNDの主成分となるチタン白は別物である事は認識頂きたいと思います。
      海外では現在両者とも販売されており、ここからの購入経験はありませんが比較的敷居の低いショップはJERRY’S ARTARAMAになります。
      http://www.jerrysartarama.com/williamsburg-oil-painting-grounds-waxes-and-glues

      単品で購入すると商品代金と同じ額の送料がかかると思います。
      時期がいつになるか判らなくてよければ、希望者を募って他の製品とまとめて購入しようと思うので当サイトのお問い合わせフォームよりご連絡下さい。

      ちなみに国内での使用については知る限り制限はありません。

  8. 早速のご返信、恐縮です。
    もちろん、鉛成分とチタン白が異なる製品となることは承知しております。
    ぜひ、参加させて下さい。厚かましいですが、よろしくお願いします。
    重複するかもですが、お問い合わせフォームにもご返答させていただきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

search envelope heart star user close search-plus home clock update edit share-square chevron-left chevron-right leaf exclamation-triangle calendar comment thumb-tack link navicon aside angle-double-up angle-double-down angle-up angle-down star-half status image gallery music video category tag chat quote googleplus facebook instagram twitter rss