LED照明は発展途上にありまだ満足できる製品はごく限られるという事はお話しました。
一般的に普及しているLED照明には、青色LED+黄色蛍光体を組み合わせた擬似白色LED(上図右端)が使われてまして、発光効率がよいものの演色性はよろしくありません。
対して「青色LED+赤緑蛍光体」「紫色(或いは近紫外線)LED+RGB蛍光体」の高演色白色LEDも実用化されて照明として製品化されてきていますが、発光効率という面では擬似白色に劣り、「省電力で明るい」をウリにした一般普及品と同じ土俵には立つ事はありません。
発光効率をみると擬似白色LEDならば白熱灯やハロゲンランプよりも省エネという事になりますが、ちょっと前までは蛍光灯にも及んでおらず「省エネなど嘘っぱち」という声もチラホラありました。
今年に入ってからは1Wあたり200lmという、とにかく明るいLEDが開発されたニュースもあり、発光効率についてもすごい勢いで進歩している様ですがおそらく演色性については満足できるものでは無いと思われます。
結局現状では、別に無理して蛍光灯をLEDに変える必要は無いと判断。
一度取り付けたら10年持つ事をメリットとして語られていますが、それってヘタなの買ったら10年我慢せにゃならんという事でして。
じゃあハロゲンランプをLEDのスポットライトに取り替えるメリットはあるのかと言いますと、発熱量がハロゲンより少ないとか紫外線・赤外線が出ないとかいくつかの利点は思いつきますが、こちらもまだ無理に取り替える時期ではないと思っとります。あくまで私基準。
しかし時期尚早であるといいつつも、現時点で良さそうな(当方基準)LEDスポット照明を下記にご紹介。参考にして頂ければ。
使用経験がありませんので、あくまでスペックから判断しただけですが、演色性が高く、色温度は5000K付近のものを選びました。
色温度3000Kとかでよければ、結構選択の幅は広がります。
実際一般的なハロゲンランプからの移行で同じ色温度のLEDスポットライトを導入するギャラリーや美術館が多い様で。
・三菱化学 「KAITEKIライティングR」
KAITEKIライティングってのはシリーズ名ぽくて、色温度5000K Ra98のスポットライトがあります。
ビーム角15°なので狭角ですね。あまり広い範囲は照らせません。
12個のLED素子を配置してあり※マルチルチシャドーが起きないか心配です。
※マルチシャドー:幾重もの影ができる現象
・DNライティング 「アルディラ」 D-VX5 ※Flashによるカタログページです
三菱化学と同様のスペック。製品画像も見る限り全く同じなのでOEMでしょう。
カタログ掲載価格35,000円也。
・CSS 自然光LED
高演色LED製品として美術館用を謳うスポットライトとライン照明(蛍光灯の代替)、ハロゲンランプからの置き換えが可能なe11口金の自然光LEDランプがラインナップ。
美術館用スポットライトはトランス内蔵形の様な形状で、単独で調光可能。Ra98。色温度はカスタムオーダーで2700~4700Kまで対応との事です。本体で調光できる様です。ビーム角は19°、27°、42°の三種。
ワンコアでマルチシャドーの心配なしとの事で期待できます。
LEDランプの方も色温度5000K、Ra98と良い感じ。ビーム角は10°と22°
ただ消費電力4Wですから50Wハロゲンランプの代替になるか不安ですし、素子が3つ配置されているためマルチシャドーが心配されます。
・Panasonic LGB54395 LB1 LGB54397 LB1 (2015.7.21発売)
5000K Ra95 1コアでマルチシャドーの心配もなく、消費電力13.7 W、白熱球100W相当という事で光源はわりと明るめ。しかしながら拡散タイプなので照度分布図を見ると1灯では力不足な気もします。
カタログ掲載価格 27,800円
LEDの宿命であるバラツキについてはカタログに下記の一文。
“注)LEDにはバラツキがあるため、同一品番商品でも商品ごとに発光色、明るさが異なる場合があります。”
“使えそう”なLEDスポット照明はLED発光部と照明機器本体が一体型のものばかりで2~3万円台と幾分高価です。
現行のハロゲンランプの球と交換するだけでよい高演色・高色温度・高照度なLEDランプが出てくると良いですね。