ニス掛けの事を仏語でベルニサージュと呼ぶらしく。
また展覧会のオープニングパーティー、あるいは内覧会の事もベルニサージュと呼ばれるんですね。
果たして、かつて展覧会初日にニス掛け作業をしていた事の名残なのかどうかは、謎であります。
知人の方へお譲りした作品がニス掛けられに戻ってきておりまして、ようやく塗布完了。
異常に暑く湿度の高い時期は見送るべく長らく保管していたのです。
ちょっと厚く塗りましたがツヤムラも無くなり本来の発色がよみがえりました。
空気と絵具の接触を防ぐ遮断層として機能するニスは、絵具層をカビなどの物理的破壊からのみではなく、絵具自身の化学変化による劣化からも護ってくれます。
そんなのを施さずに放っておく手はない。
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きれいに塗れてますねえ。
「古典絵画の透明でエマイユのような絵肌」って、仕上げニスのおかげが大きいん
じゃないかと思ってるんですけど、やはりそうじゃないかと思える透明感と美しい
絵肌ですね。
日本人は(現代のヨーロッパ人もそうかもしれませんが)マットな表面を好む傾向
が強いので、あんまり依頼がないのかもしれませんね。
ニスかけないと本来作家が意図した色彩が出ないので残念な事です。
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>古吉さん
もう一つには古典画の場合、フラットな地が「エマイユ状」と呼ばれるマチエールに寄与していると思います。
最近フラットな地塗りを試みていますが、一般的なキャンバス地に描いたものとまるで光沢の出方が異なります。
ルツーセをかけただけでもテカテカになりますね。
「ニスかけないと本来作家が意図した色彩が出ない…」
このあたりの理解が浸透していないとすれば、憂慮すべき事だと思います。
作家の意図が反映されない事を問題なしとするなら、絵画そのものの存在意義が疑われる事になるんじゃないかと思うんですけどね。