「テレピン」は誤りで「テレビン」が正しいという意見を散見します。
広辞苑によるとポルトガル語のterebintina(テレビンチーナ)から派生した語らしいけどterebinという語は存在しないので「テレビン」でもおかしい。
まあでも広辞苑に「テレビン油」というのが載っているので、日本語としては「テレビン」が正解なんでしょうな。
「テレビン」はフランス語だと言ってる人もいますが、仏語ではterebenthineでカナ表記するとテレバンティン、実際の発音はテヘボンティヌに聞こえる。
まあすでに商品名に「テレピン」と付けたものがあるので、テレピンは間違いであるというのは「ヘッドホンステレオをウォークマンと呼ぶのは間違いである」と指摘するのと似ていると思ってます。
※「ウォークマン」はSONYの商品名で、他社製品は「ヘッドホンステレオ」や「携帯型ステレオカセットプレーヤー」と呼ぶのが正解らしい。
外国語なんで音が全く異なるのはしょうがないとして、いわゆるテレピン油が各国語で個人的にどう聞こえるか以下にまとめました。
英語圏では「トゥーペタイナ」 turpentine
フランスでは「テへボンティヌ」 terebenthine
イタリア語では「トレメンティーナ」 Trementina
ドイツ語では「ターペンティン」 Terpentin
テレピンもテレビンもありませんが、どっちかというと英語圏の”pe”は半濁音の「ピ」に近いかと。
wikiによると英語のturpentineはギリシャ語のτερεβινθ?νη(テレビスィニ)から派生したものであり、テレビンの木をterebinth(テレベンス)と呼ぶとの事。
テレベンスはたしかにテレビンに似てますが、そりゃ木の事で精油ではない。
フランス語のterebinthe(テレバンス)も精油ではなく木の事です。
他方、テレビン油に含まれる炭水化物や樹脂酸を指して「terpen」としたものがありまして(今は意味が異なるらしい)、これは和名が「テルペン」であります。語源はturpentineだそうですが、より「テレピン」に近い語であります。
日本の「テレピン」は「テルペン」から来たんじゃないかと。
ここはひとつ、私が「テレビン」はterebinth=テレピンの木、「テレピン」はterpen=テレピン精油に含まれる物質…から派生した、実は別々の語であって、どちらもテレピン精油の事を指しておらず間違いであるという説をぶったたき出してさらに混乱させてあげましょう。
まあ「ターペンタイン」は商品名としても存在しますし、そう呼ぶのが一番無難です。