ロジン+ターペンタインによる還元バルサム

バルサムと言うと端的には松脂の事を指しますが、モミやコパイフェラ(マメ科)から採れる樹液もバルサムと呼ばれるので、もうちょい正確に言うと揮発性油を含む高粘度樹液の総称といったところでしょうか。
透明度・粘度が高く塗料に添加する事で強い光沢と可塑性を与えることができ、油彩メディウムの添加物として、またヴァイオリンのニスや木工ニスとしても古くから利用されてきました。
近代では合成樹脂が登場するまで光学レンズやプレパラートの接着剤としても使われてきましたのでそちら方面の方々にも耳慣れたものかと思います。
油彩に必須の揮発性溶剤であるターペンタイン(テレピン,テレビン)は、このバルサムを蒸留して得られます。
一方、蒸留で残った固形物はロジン(コロホニウム)となり、ヴァイオリンの弓に塗ったり、野球のロジンバッグの様にすべり止めとしても利用されます。続きを読む →

[Medici] 映画「薔薇の名前」にみる中世後期の美術事情

Medici提供動画シリーズ。
長らく間を開けての新シリーズが出揃いましたのでブログでもご紹介。

今回の動画は映画「薔薇の名前」の内容にからめて、舞台となった中世後期の美術や文化について語る内容となっております。
羊皮紙を使った装飾写本を制作する修道士たちの間で起こる連続殺人と失われた書物をめぐる物語なのですが、油彩画が登場するずっと前の話で私の出る幕は無く、松川さんの独壇場で進行頂いてます。続きを読む →

銅板支持体の下処理 ~「画材の博物誌」「絵画材料辞典」より

森田恒之著「画材の博物誌」に書かれた銅板支持体に関する記述は5ページにとどまりますが、日本語で読める貴重な資料の一つです。
また同氏が翻訳されているR.J.ゲッテンス G.L.スタウト著「絵画材料辞典」にある銅板支持体に関する内容は部分的にほぼ同一なので平行して見ていきたいと思います。

前回、テクニカルブリテンでは乾性油(亜麻仁油)で拭いておくという処方が紹介されていましたが、森田氏の場合は「ニス」による下処理がなされたと解釈されている様です。続きを読む →

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