「牛乳を注ぐ女」のテーブルは六角形 …のその後

以前、こちらのブログで「牛乳を注ぐ女」のテーブルにまつわる俗説(パースが狂ってるとか台形だとか五角形だとか)を一蹴してあげました。
こちら
なんだかやたら詳しいフェルメールのサイト(essentialvermeer.com)にメールしても「我々は台形だと認識している。その他の意見はオランダの美術館にきいてくれ」と言われたので、その通りアムステルダム美術館にメールするもシカト食らってはや一年近く。
フェルメール関係の本を多く書かれてる小林頼子さんにでも教えてあげて、日本から間違いを正していって貰おうかとも思ってましたが、たまたま先のessentialvermeer.comの「牛乳を注ぐ女」のページに久々にたどりついたところ、なんと私の説が載ってるではありませんか…。
[下記 絵の下の「Special Topics」から「Vermeer’s big mistake ?」をクリック]
http://www.essentialvermeer.com/catalogue/milkmaid.html
▼essentialvermeer.comの説明図

▼以前こちらで解説した図

残念ながら「私の説」というのはウソで、オランダのTaco Dibbitsって芸術専門家とかいう御仁による説として紹介されていました。
内容はというと、広げると八角形になる折りたたみ式テーブルの片方を畳んだ状態である事が明らかにされた…との事。
要するにこういう事です↓

折り畳みテーブルの片方を畳んだものという発想はありませんでしたが、六角形なのは以前の記事で示した通り、見りゃ判るでしょって話で、オランダの専門家がなんぼのもんか知りませんが私の時は適当にあしらいやがってこのやろう。
Taco Dibbitsってダレだよと思って調べてみると、私のメールをシカトしたアムステルダム美術館の、キュレーターの方でした。
六角形なんてのは関係者にはとうの昔に当たり前に判ってて、どこの馬の骨かもわからんやつから来たメールになんか返事をよこす気にはなれなかったんでしょうかね。
しかしこちらにも書いたように、他の作品にも六角形天版とおぼしきテーブルというかチェストというか…が描かれているし、布が掛けられているのになぜ折り畳みテーブルと断定できたのか疑問ですが、フェルメール宅に折り畳み八角形テーブルがあったという資料でも見つかったんでしょうか。
ちょいと問い合わせてみましょうか。
「牛乳を注ぐ女」のテーブル
牛乳を注ぐ女のテーブル(再)

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9件のコメント

  1. SECRET: 0
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    すばらしい!
    このキュレータの説と鳥越さんの説とどっちが先なんですか?
    きちんとした論文にしておけばよかったですねえ。
    他の絵に描かれてる面取りはゆるやかで、置いてある布のななめな線や、かすかに
    テーブルの端が明るくなってるかんじもしますので、同じテーブルと見ていいんじゃ
    ないですかねえ?
    今度は小林さんにこのブログを知らせて、鳥越さんの発見として広めてもらうといい
    のでは?

  2. SECRET: 0
    PASS:
    >古吉さん
    うーん、もしかするとずっと前からTaco氏は唱えてたのかも知れませんね。
    日本に来た時も消失点の話はあってもテーブルのパースについて一切触れて無かったと思いますが、氏の説の影響があったとも考えられなくはありません。
    でも去年はessentialvermeer.comの人も「台形と思う」つってたんで、"その筋"の人達にもこの説が伝わったのはごく最近だと思われます。
    もう一度アムステルダムにもメールして、「紳士とワインを飲む女」中のテーブルとの関係についてどう思うかも聞いてみましょうか。
    小林さんも既に耳にしてるかもですね。目白大学に打診してみます。

  3. SECRET: 0
    PASS:
    同時期のJan Steen(ヤン・ステーン)に八角形テーブルがあるね。bit.ly/eIJ3iR これはクロスがないので形は明白。どちらか一方と断定するのはおかしいね。「ワイン~」の方が膝丈くらいで「牛乳~」のは腰丈くらいで高さが違うのが少なくとも2台はあるってことかな。

  4. SECRET: 0
    PASS:
    >karu氏
    Jan Steenのは足がかなりしっかりしてるから折り畳みかどうかはわかんないけど、調べてみると折り畳み式にも真ん中で折れて90°折り下げるの、真ん中に四角が残って左右の台形部分が折れるもの(bit.ly/hYmBsw)、あるいは真ん中で180°折れて天板が二重になるもの(bit.ly/i7OsbR)など色々ありますな。
    ワインの方のも大きい画像が見つかってよくよく見てみると、アチラは六角形じゃないかもです。
    もうちょい検証して何かわかったら記事にしまっす。

  5. SECRET: 0
    PASS:
    (唐突かつどこか失礼かも知れませんが…他意無く純粋な感想です。
    当テーマでの最初の記事にもありますように、
    「この論点が論文テーマだの書籍の段を埋めている」ということの方に驚きを感じています。初見ですら「このテーブルを長方形だと見る人」はいるのかなぁ…と。
    牛乳の水平面等の「テーブル上のオブジェクトに対しての意図的演出」を語るなら大いに「論ずるための文」たれるかなとは思いますが、この点すら古典絵画の上でも、イマドキの3Dゲームやアニメーションのレンダリングにおいてですら凡庸頻出の「誰もが知るおなじみの演出」。あらためてそれを指摘して、果たして第一線の学府や博物館がまともに応じるのか…興味があります。
    当ブログのテーブル見解記事が、台形テーブル論より検索上位である現在、充分な効用を達している気もします。
    余(既知かと存じますが
    GoogleのArtProjectにて大解像度のデータを閲覧できます。
    (牛乳~は4000*4485pxでした)
    また12年度西日本新聞社事業予定にて、
    九州国博にてフェルメール展が10月の予定だそうです。楽しみですね。

  6. SECRET: 0
    PASS:
    >福岡素人さん
    書き込みありがとうございます。
    仰る趣旨を理解できていないかもしれませんので、その際はご指摘頂ければと思います。
    >初見ですら「このテーブルを長方形だと見る人」はいるのかなぁ…と。
    いえ、長方形には見えない為、ではどんな形なのだろうか→台形、五角形、いずれにしても不自然な形状の天板→パースの操作…という思考が一部あるいは一期間、定着してしまっていたのは確かです。今でも、どこかでそのような話を聞いてそう信じ込んでる人も多いでしょうし、そんな話知らないという人も多いでしょう。
    加えて更に多くは「一見とんでもない操作をしてまで画面の調和を優先させたフェルメールはすごい」という意見で締められるのですが、いやべつにとんでもない操作なんかしてないでしょう。よく見なさいよ。というのがこのブログで述べている事です。
    テーブルが四角だろうが三角だろうがこの作品の価値や評価に影響を与えるものではなく、はっきり言ってどうでもいい事です。私が述べている事は、あくまで「この作品について述べられてきた事」に対する意見・反論でしかありません。
    <つづく>

  7. SECRET: 0
    PASS:
    <つづき>
    ところで
    >イマドキの3Dゲームやアニメーションのレンダリングにおいてですら
    >凡庸頻出の「誰もが知るおなじみの演出」
    というのは具体的にどういった演出を指されているのでしょうか。
    当方、3DCGなどのレンダリング云々に詳しくないので興味があります。
    GoogleのArtProjectはすばらしい画像を提供してくれていますね。
    フェルメール展も楽しみですが、近寄って見れない・写真撮影不可という日本の展覧会における制約のもとで、細部の観察という点においてはモニターで見たほうがはるかに参考になるというなんとも…な感覚を味わわされます。

  8. SECRET: 0
    PASS:
    >noneさん
    ありがとうこざいます。
    すごいですね。評論家にもこういうの作る技術があると説明しやすいし説得力あるのにねー なんて思います。

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