コローの糸張り画枠

これにはおどろいた。
あのコローが、19世紀のフランス人が、糸張り画枠を使っていたのかと。
それをわざわざキャンバスより大きい布かカルトンに貼り付け、糸が見えるようにした理由は??
…などと考えながら、拡大してみてまたおどろいた。
実は「糸張り画枠で描きました」を演出したトロンプルイユ=だまし絵であった事に…!

コローと糸張り画枠とトロンプルイユ、どれも結びつきを想像だにしなかったのでまんまとやられました。


Jean-Baptiste-Camille Corot – A Village Street : Dardagny (c.1852-63)

ところでシリーズとしても取り上げている「糸張り画枠」ですが、これは油彩画を描く際、特殊な画枠(木枠)に糸でキャンバスを張る仕組みの事を指します。
最終的にキャンバスはこの特製の木枠から外されて別の木枠に張り直されるのですが、その際にはクギ止めされたりしますので、これを指して「糸張り画枠」と呼ぶのはしっくりきません。この場合、「糸張り画枠に(よって)張られていたキャンバス」などと回りくどい呼び方しないといけないので面倒です。

キャンバスを糸で固定する木枠を「糸張り画枠」
糸張り画枠に固定する・されていたキャンバス布を「糸張りキャンバス」
と呼ぶようにしてはどうかと。

画枠という言葉自体が古いですけど、現在の一般的な木枠と区別するためにもこの単語は生かしておこうと。
それよりむしろこの特殊な画枠にキャンバスを糸で張るシステム自体の呼称を「糸張りキャンバス」とした方が直感的にわかりやすい気がします。

まあどのみちこの単語が必要な人はいないでしょうが。

 

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