ダンマルワニスの白濁

ダンマルワニスを木工ワニスとして使用したらボロボロで全くダメだったという話を以前Medici動画の中でしました。
その際使用したダンマルワニスは軒下に放置してたらきれいに白濁。

おそらく水分によるもので加熱によって透明に戻せそうとは思いましたが、一応試しに日晒ししてみましたところ…

変化なし。

次いで保温プレートにて低温加熱を試みた様子が以下。
※加熱時は容器のフタを緩めています。

いくらか透明にはなりましたが黄色みが増し、また冷めると少し濁りが戻ります。
ターペンタインに溶かしたダンマルはもともと若干黄色いのですが、幾分濃い気がします。
低温でじわじわやるより、もっと高温で一気に加熱した方がよいのかも知れません。

 

ときにダンマルワニスについてはこちらでも「天然ウルトラマリンの抽出」などで度々紹介させて頂いております寺田栄二郎氏による論文が下記より参照頂けるので、読んでおくべきでしょう。

こちらによると透明度も溶解速度もペトロールが優れている様に見受けられますが、”テレビン”への溶解が異様に遅く「4 日後で約6 割の樹脂が溶解した」というあたりは私の経験からするとちょっと首を傾げる部分もあります。

ひとつには「ガラス容器に入れたダンマー樹脂25gにさまざまな溶剤45gを加えて密栓し」との事なので、このやり方だと溶解初期に容器の底へ一つの塊に溶け固まり、溶剤への接触面積が狭くなってしまうなんて事が起きるのかも知れません。
しかし同条件でもペトロールの方が早く溶けた様なので、これは検証が必要ですね。
いずれにせよ、やはり常温での樹脂の溶解はよくあるやり方のようにガーゼにくるんで溶剤に浮かばせるように吊るすというのが効率的でしょう。
たぶん何度も言ってますが、私はお茶パックに樹脂を入れ、それごと溶剤にドボンしてます。

もうひとつはホルベイン工業「絵具材料ハンドブック」にもある様に、和製のテレビンと海外製では溶解力が異なるという事もある様なので、この手のデータにはどのメーカーのものを使われたのか明記頂きたいところです。

他にも”レモン油”などについても触れられており、これは恐らくリモネンの事だろうと思いますがちょうどコーパル溶解実験用に購入しているのでいずれ試してみようかと。
あとはロジンを用いて濁りを取る手法なども検証されてますので、再現してみるのも面白いかもしれません。

 

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