久々にラピスラズリ顔料ネタ

以前紹介しました高森氏のHPに、当方がラピスラズリから抽出した天然ウルトラマリン顔料と、彼が抽出したものなどの顕微鏡写真を掲載頂きました。
なかなか興味深いというか画像見るだけでもキレイだし面白いのでぜひ。
http://www.yukio-takamori.com/chemistry-of-paints/

掲載されているサンプルは適当に二種類を選んで送りつけたもので、どの原石から何番目に抽出されたものかとか、そういうデータは一切とっていなかったもんですからまあ見る側もテキトーに見てください。
片方にだけ雲母状物質(恐らくパイライト=黄鉄鉱でしょうけど正確に同定していないという意味でこういう表記にされてるのかと)が含まれるという事なので、違う原石からのものだったかも知れません。

手持ちの原石では、パイライトを多く含み、細かいカルサイトがまんべんなく含まれる石の方がもともと濃くて良い青色をしています。
抽出作業等の詳細については、以前の記事を参照ください。

当ブログの以前の画像は色味がめちゃくちゃだったりしますので、再度撮影しました。
撮影環境が結構いい加減ではありますが、カラーチャートも写しこんでますんでマクベスチャートをお持ちの方は比較してモニタ調整するなり脳内変換するなりして見てください。
(ちなみにこんなちっさい色が並んでるだけの紙きれでも1万円以上したりします)

こちらの環境と全く同じ色味で皆さん方のディスプレイで表示させるという事は実質不可能なのですが、キャリブレーションされたAdobeRGB対応のディスプレイをお持ちでカラープロファイル対応のブラウザを使って見ればほぼ同じ色で表示されるんじゃないかと思います。
「何言ってるかわかんね」って方(特にWindowsユーザー)は概ねハデな色味で表示されてると思いますのでそのつもりで見てください。
中央上=合成ウルトラマリン(レンブラント製) 左=原石を砕いたもの 中央=同左(異なる原石) 中央下=中央の顔料をさらに細かくすりつぶしたもの 右=抽出作業を経たウルトラマリン

練ってあるものはリンシードオイルで練ってます。
左と中央は原石をただ砕いてすりつぶしただけ(両者とも250メッシュのフルイを通したものでほぼ顔料径は似たり寄ったりかと)のものですが、かなり色味が異なります。
いい原石は砕いただけでも十分に良い青が採れるという事が想像できます。
ここから抽出されるウルトラマリンも元の石によって色味がかなり異なりますし、中央と中央下を比較してもわかる様に同じ原石でも粒子径によって色味が変わるという事は以前も述べた通りです。
上記二種ともラピスラズリ原石です。不純物の含まれる率などもありますが、青みの部分(ラズライト)の色味が元からかなり違っているのが分かります。
抽出されるウルトラマリンも、多くは原石の質に依ります。

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