琥珀

Medici提供 動画シリーズ。

油彩画で使用される樹脂のひとつに琥珀があります。
しかしこの太古の化石樹脂はもともとが希少な上、「油に溶かして使う事はできない」と、しばしばその使用は伝説的、オカルト的な扱いをうけるシロモノであります。

歴史的な使用を裏付ける資料は私の手元にも無いのですが、BLOCKX他ごく少数のメーカーから琥珀入りのメディウムが市販されているのは事実ですので、「琥珀メディウム」の調合は不可能ではなさそうです。
この件についてはまた別の動画で。

琥珀をメディウムに使用する有意性云々は置いとくとして、そもそも琥珀とは一体どんなものなのでしょう。
松脂が化石化したものと思ってる方は多いようですが、どうもそうではなさそうです。
毎度ながら松川さんに琥珀の知識をご教授頂きます。

実は日本リノキシンよりランニング処理した琥珀、ランニングアンバーが販売されています。
通常、揮発性油に溶けない硬質樹脂も、加熱処理=ランニングを経ることにより溶かす事ができるようになります。
難しい事はわかりませんがとにかく「溶ける琥珀」が売ってるわけです。
50g 3,750円。
これさえ手に入れれば簡単に琥珀ワニスを調合する事ができると思えばお安い。
動画後半、ランニングアンバーを入手済みの松川さんにテレビンに溶かす様子を観察頂きます。

コーパル同様、琥珀は火にくべて香りを楽しんだという事で、これも松川さんに実践して頂きます。
前回のフランキンセンス同様、香りを伝える事ができないのは残念なところ。

この動画シリーズ収録後、私の方でもいくつかの琥珀サンプルを入手しています。
いくつか燃やしてみたりしましたが、プラスチックを燃やしたような刺激臭でとても楽しめるものではありません。
私の琥珀が全てニセモノなのかも知れませんが、可能性としてはそちらの方が低いです。

燃やす以外にも自製琥珀ワニスの実現も視野に色々と試しているところですので、いずれまたご報告できれば。

–参考書籍–
「こはく―その魅力の秘密」

「琥珀―永遠のタイムカプセル」

「琥珀 (飯田孝一 宝石のほんシリーズvol.1)」

「Plant Resins」

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