油彩画の額装時、多くは描画面の一部が額縁と接触する構造になっている為、作品と額縁とがくっついてしまい取り外しの際に絵具の層が剥離する事故が多発します。
描画面がザラザラした木地と触れる分にはまだいいのですが、特に安価な額縁のライナーにはプラスチックが使われている事もあり、アクリルニスを塗布した油彩画は容易に癒着してしまい危険度が増します。
その事を経験的に知っている絵描きは各々独自に対策している事もあるのですが、未だそれらが額装の基本として語られる事は無く、また癒着防止のしくみが新たに開発されたり、そのための部品が画材として販売されるという話もちょっと聞き及びません。
ここでは、木枠やパネルなどある程度の厚みを持つ木製の支持体が使われた作品に限られますが、当方で採用している癒着防止策についてご紹介してまいります。続きを読む →