キャンバス固定具としてのステープルについての考察

今回も有用な方にとっては恐ろしく貴重な情報が含まれた(?)長文になります。
興味の無い方は見なかった事にしてすっとばして下さい。

近年では木枠にキャンバスを張るのにタックス(釘)ではなくステープル(ホチキスの仲間)を利用する方も多い様です。

私はキャンバス固定用具としてのステープルに対していまいち信用が持てず今まで敬遠していましたが、先日紹介した「角から張り」の記事にあった様に、狭い間隔でバシバシ打てば、あるいはタックスよりも均一なテンションで、かつ強力に固定する事ができるやも知れぬ…と、しばらくの間ステープルについて調べておりました。続きを読む →

キャンバスを角から張る

以前mixiのコミュニティにてターナーのサイトを紹介頂いた際、偶然キャンバスの張り方について書かれた記事を目にしました。

ゴールデンテクニカルインフォメーション 2007年9月号
上記は和訳モノなのですが、なぜか重要な画像がはしょられているので下記の原書を参考にしませう。(PDFファイルです)
コチラ

通常、木枠にキャンバスを張る場合、木枠の中心から角に向けてタックスを打っていきますが、[参考] この記事にあったのは「角から留めていく」というものでした。
中心から角に向かって張る場合、角に行くにつれ自由の効く面積が狭くなり生地を正常に引っ張る事が困難になり、また角に異常なテンションが掛かり将来的に亀裂が入りやすいなどの問題が生じるとの事です。
これらを解消すべく、逆転の発想で「角を先に決める」事によって均一なテンションでキャンバスを張ることができるのだとか。
かなりユニークな手法だと思います。

一見すると木枠裏側でキャンバスを固定する手法はフローティングキャンバスの張り方に似ていますが、専用のプライヤーを必要とするフローティングキャンバスと違い、普通のプライヤーで引っ張って、画鋲で仮留めしている様です。


▲原書PDFより

まず側面に画鋲で仮留めするので、スペース的に木枠の裏側で固定するしかないのでしょう。
画像のプライヤーの使い方と、画鋲を根っこまで打ち付けずに細い針だけで持たせている所をみると、やっぱりアチラの張り方はかなりユルイものなのではないかと想像します。


▲原書PDFより

という事で、最近は角から張りに挑戦中。
▲プライヤーは「カチット」を愛用。

最も、私は画鋲もタッカーも使わず、タックスでもって木枠側面に留めていきますが。
画鋲で仮留めしていった方が、修正も楽だしより効果的でしょう。
ただ、記事中で使われているピンの長さが1.6cmのアルミヘッドの画鋲など探してもまず見つかりません。
長さ1cmの短いものなら、そこらで大量にみつかるのですが。[楽天など]
とりあえずこれらで試してみてまた記事にしますか。
この張り方、感覚だけでやってるとまずムリって感じです。

四つの角を適正なテンションで固定する事もコツが要り重要ですが、前準備としてキャンバスに目安となる線をひいておき、その線が真っ直ぐになるように目で確認しながら張らないといけません。(線ひいてるの、見えますかね?)
この方法でうまくいけばシワも無く、太鼓みたいにピンと張ることができるのですが、果たして叩くといい音がする位までテンションをかけた張り方が、キャンバスにとって良いことなのかどうか…という問題はまた別の話で。
海外の様にゆるく張るのが実はいいのかも知れません。
フナオカに聞けば教えてくれるでしょうか。
いずれにしてもこの「角から張り」を実践されている方はごく少数派だと思われます。
試している方がいたら、コツやら所感やらお聞かせ願いたいものです。

 

ZINN KRUG

古典の静物画にモチーフとしてよく登場するものに白鑞(しろめ:錫と鉛の合金)の製品群があります。
英語では”Pewter”、フランス語では”Etain”、ドイツ語では”Zinn”と呼ぶこの合金は、かなり柔らかく加工性に優れる事からあらゆるテーブルウェアの素材として重宝された様です。
錆びが来ず上品な光沢をもつ金属で、古典画にはその美しい光沢をまとった皿や水差しがよく描かれています。
しかし時を経ると黒っぽく変色して独特の味を醸し出し、これもまたモチーフとして魅力的。
古いモノを手に入れてその独特の味をキャンバスに再現するのもよし、真新しいレプリカを手に入れて過日の画家たちの追体験をするもよし。
タイトルのZinn Krugはドイツ語で「しろめの水差し」の事です。
どう発音するのかは知りません。頭ん中では「ジンクラッグ」と勝手に呼んでますが。
画像の3つの水差しはいずれもドイツのオークションサイト(eBay)で落札した品で、そんなに古いものではありません。
左のものが一番古く、結構いい味出してます。胴体のひねったような装飾が気に入って落札。
真ん中のものは古典画でたまに見る型で、オークションで発見して「おおっ」と興奮気味に思わず購入。
一番右は最近のもので、まだ新しめの光沢を放っています。
本当に骨董価値のある品はバカ高い値がつくのですが、こんな感じのものならヘタすると2,000円くらいで落札されていたりする事もあります。ウハウハですな。
しかし残念な事に、日本までの送料が5,000円は下らないのでなかなか難しいところです。
もちろんモチーフとして購入したものなので、いずれ作品に登場する事になります。
乞うご期待。

鳥越式小屋裏換気システム

結構以前に予告していた小屋裏換気のDIYですが、とっくに工事を終えてこの夏は連日稼働させておりました。
「換気システム」とか言っておきながら、単に壁に穴開けて有圧換気扇(※)をとりつけるだけです。
※要するに強力な換気扇。主に業務用。
我が家の外壁はメンテナンスレスのタイル張りですが、幸い雨の当たらない妻壁の上部は普通のサイディングなのでノコギリで簡単に穴をほがす事ができます。
また直下の部屋に使用していない壁スイッチ付きの照明があったので、電源をつなぎ直すだけでスイッチで換気扇をON/OFFできるであろう事も確認済みでした。
工事の様子は逐一写真に収めるつもりでしたが、午前10時を回ると36度を超す小屋裏での作業は熾烈を極め、いちいちそんな事してる余裕はありませんでしたとさ。
使用したのはナショナルのFY-30GSUD

外側には雨が降り込まない様にガラリ(※)を取り付けます。FY-GKS303
※建築用語でブラインドまたはルーバー状の通気口部材の事。語源はグリルやギャラリーなど諸説ある

有圧換気扇本体の定価はクソ高いけど17,870円、ガラリは3,090円で手に入りました。
できるだけ大きい換気扇がいいのですが、柱の関係で壁にあける穴の大きさに制限が生じ、30cm羽根のものが限界。
風量と小屋裏容積からざっと計算したところ、40分で小屋裏の空気を全部交換する事が出来ます。
我が家は平屋で小屋裏が広大な為、30cm羽根の換気扇一機では空気の交換に時間がかかります。
将来的にはもう一機、強弱コントロールのできるヤツを取り付けたいものです。
夏場の日差しによる小屋裏の温度上昇は著しく、稼働させても昼過ぎには連日43℃ほどになっていました。
小屋裏にはまず住めませんハイ。
更なる熱対策には、屋根の断熱をせねばなりますまい。
50mm厚のスタイロフォームを屋根に敷き詰めるとして、10万以上はかかります。
案としては屋根散水があるのですが、こちらは設置法さえ確立すれば比較的安価に実現できます。やる気次第で。
実はこの有圧換気扇、正常に稼働して問題はなかったのですが、騒音対策と台風時の雨水降り込み対策の為にヤフオクで落札したウェザーカバー(三菱製QW-30SA)を設置しようという事で、一月後くらいに再工事をしました。
ガラリは必要無くなるので取り外したのですが、それには換気扇本体も取り付け枠も全て外してしまわなければなりません。
そん時に写真撮ったのでそれでも置いときます。
▲開口部左側にある当て木が邪魔して穴あけ作業には10倍の体力を消耗しました。
▲1×4のSPF材で木枠を作り、片方にガラリを取り付けて設置。その後もう片方に換気扇を取り付けた状態。
後日ガラリは取り外し、防振ゴムも撤去して木枠も2×4で作り直しました。
▲新たにとりつけたウェザーカバー。シーリング材がキタナイですが、まず見ないのでOK。むしろ本来の換気口ガラリがカビだらけでみすぼらしい。ほぼ一生取り替える事のない部材なんだからカビの生えるようなモン作るなと言いたい。
以前は「ゴオォォォ」とかなりの風切り音がしており、ご近所の事を考えてウェザーカバーでいくらか騒音を押さえられないかと思っていたのですが、ガラリを取り外す事により著しく騒音が少なくなりました。
めでたしめでたし。

ネジザウルス

今回もDIYネタ。
前回も登場したナメてしまった皿木ネジ。
1mmちょいほど頭を出した状態で、これ以上締める事も緩める事もできません。
どーにかならんかね。

そこでネジザウルスの登場。

こいつの先端部分にはギザギザが付いておりまして、ここがネジ頭に食いつき、ナメなネジも錆び付いたネジも回せるというシロモノ。(ピンボケ失敬)
しっかり食いついてグリグリっと
ある程度抜けたら真ん中で挟んでグイングイン回せばOK。60mm長の木ネジが簡単に外れました。
同じく1mmちょい頭の出た90mm長のコーススレッドも試してみましたが、かなりの握力を要するものの、しっかり外すことができました。
実力もさることながら、やはりネーミングの勝利でしょう。
サイズの異なる3種類があって、私が購入したのは一番大きい「ネジザウルスXP」 定価3,330円になります。
これを通販にて1,980円で購入したものの、後日地元のホームセンターを覗くと同価格で販売してましたとさ。

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