鳥越式自在腕鎮

腕鎮は必須アイテムですが、市販品は先端がてるてる坊主になってるただの棒です。
あの先端部分は何なんでしょうね。
もちっと「使える」機能的な腕鎮が市販されててもよさそうなもんですが。
しゃーないので自分で作ります。

▼鳥越式自在腕鎮(1号)
黒いノブが付いてる部分が上下(写真で言うと左右)に動き、自由な位置で固定できるというパーツが付いた、ただの棒です
こんな感じでひっかけて使用。
構想中の腕鎮用アタッチメントを前提に作ったので、このままでは腕鎮が絵に接する部分が広くてイヤかも。
アタッチメントの紹介はまた後日。
細工が必要なのはこの部分のみ。
木部は余りモンで作ってます。
腕鎮本体も余ってた1×2材。たぶん1820mmで150円くらい。
▼必要なパーツ群…まずはノブスター(M6用 110円)とボルト(M6 20mm 10円くらい)。

▼ノブスターにボルトを差し込んで▼キャップを付けたらノブ付きボルトの完成。
便利なもんがありますな。
ノブスターにボルトを装着すると、5mmくらいボルトが短くなるので注意。
(下記鬼目ナットより長いボルトじゃないと腕鎮を固定できません)
▼鬼目ナット(ツバ付き M6用 4個入り170円)見えてるのは六角の穴ですが、中はネジが切ってあって、要するにナットです。
下穴を開けてから六角レンチでねじ込むと、ボルトの受けとなります。
下の画像の様に裏側から入れてます。そうしないとノブを締めた時には画像で言うと右側向きの力が発生するので、徐々に抜けてしまう。
画像の様に裏側から鬼目ナットを差し込んでも、右向きの力によってどんどんめり込んで行くので、ツバ付きの鬼目ナットにした方がよろしい様で。
▼焼入リボン (0.3x10x1000mm 250円)焼き入れしてあるので0.3mm厚でもかなり硬い金属のリボンです。
こんなの普通は何に使うんでしょーか。
▲鬼目ナットの上にかぶせる様に、若干凸形に曲げて、ネジで固定。
ノブを回すとボルトがせり出し腕鎮を押す事で固定するのですが、キズ付き防止の為に金属板を間に挟むというワケ。
スチール缶を切って使えばタダですが、柔らかいのでボルトが当たる部分にすぐ穴が開きます。

▼ノブを回すと…▼こうなる

木製イーゼルの伸縮足の固定やH型イーゼルのキャンバス押さえなどには全く同じ機構が採用されてます。
この腕鎮をさらに活用すべくいくつかのアタッチメントを考えてるので、できたらまた紹介します。

福岡三越~DIY

天神の福岡三越に古吉さんの作品(とご本人)がやってこられたので拝見しに行きました。
というか、くっちゃべりに行きました。
3時間以上どん座っていたんで正直邪魔だったかも知れません<(_ _)>
おかげで色々とお話出来たんですが、やはり絵描きってのは製作の高効率化を図る事が重要ですな…って事を再認識してきました。
膨大な時間を制作に費やすのが芸術家だと思ってる方も多いかと思いますが、んなもんどっから金が出るんじゃいという話で、表現は悪いですがサクサク描いてポンポン売らねば我々はご飯にありつけません。
技術的な効率化も目指さねばなりませんが、環境の効率化も重要…とは以前から何度か述べておりますが、つまりアトリエは機能的な空間である必要がある。って事です。
対して私の部屋ときたら…というのも何度かボヤき済み。
まあでもしかし、制作の合間、しかもやる気のある時にチビチビと機能的アトリエに向けての努力=DIYはやっておりまして。
邪魔なモンは天井の上に詰め込んでしまえという事で、小屋裏収納制作計画進行中。▲右手奥、およそ6畳分の根太だけ張り終えた状態。左下が収納はしごで登り口になる
最終的には30畳どころじゃないくらいの収納空間を確保できるでしょう。
今年はとりあえず15畳分くらいを仕上げます。
詳細はまた後日。

天然ウルトラマリンを使ってみる

モチーフのラピスラズリを描くのに天然ウルトラマリンを使うという、これまた単純な…お遊びをやってのけました。
まだ描きかけですが。まあ画像は毎度ながらショボい色しか出てないんで全く参考になりませんので、気になる方は来年開催予定の個展見に来てください<(_ _)>
私の天然ウルトラマリンは、市販の絵の具と比較すると相当粒子が大きく、その使用感は「塗る」という感覚からはほど遠いものです。まさしく「置く」という作業。
他の絵の具と混ぜるとか、透明メディウムと混ぜるとか、そんな事をしてあげないと「塗る」事はできないでしょう。
これが使い勝手が悪く、ムラ無く置く事は、まず不可能ですな。
中学校の授業で作った七宝焼きを思い出しました。
あれも「塗る」作業ではなく、「置く」作業です。▲他の部分と比較してザラついてるのが肉眼でも判ります(クリックで拡大)
下層にはコバルトブルーと混ぜて使い、3日乾かしてその上にユルユルのウルトラマリン(リンシード+常用メディウム)を乗せました。
あと何回か天然ウルトラマリンでグレーズっぽい事をやろうかと思います。
フェルメール他の絵描きさん方はこんな絵の具をどうやって使ってたんでしょうね。

Fayencekanne mit Zinndeckel 白鑞蓋付陶製水差し

ドイツのeBayにて形の良い水差しをみつけ、一目惚れ。
サイズが手のひら大と小さめで迷いましたが… 結局買いました。
んで描きました。

品物は35ユーロとまあ安い方だけど送料がかさんで結局1万円ほどに。
ドイツの伝統的な型だと思われます。
デルフト焼きで形はよく見ますが、この濃い青の釉薬は見かけません。
もう少し大きければ使い良いんですがねぇ。

木枠のホゾ組みについての考察

いきなりですが、キャンバス木枠は縦枠横枠の区別を無くすべきです。
現在日本における市販のキャンバス木枠は縦枠・横枠が決まっており、縦枠は縦枠として、横枠は横枠としてしか使えません。
つまり、ほぞの切り込みが縦枠・横枠で異なり、縦枠同士、横枠同士を隣り合う辺として組み合わせる事は不可能なのです。

▲上が横枠、下が縦枠。木枠両端に同じ加工がしてある

▲縦枠・横枠はほぞによって組みます

▲縦枠同士(横枠同士)だと組めない

このほぞ切り、左右互い違いのほぞにすれば、縦枠横枠関係なく組める様にならんかい?
なぜそうしなかったのか、また、なぜそうしないのか。
▲左右で互い違いにのホゾになっていれば縦横関係なく組める

海外の画材通販サイトでは2本セットで販売しているのを見かけます。
最初はなんで2本ずつなのかなと思っていましたが、上記の様に左右互い違いのほぞが切ってあれば、縦横関係ないので2本ずつのセットでいいのです。


▲改めて調べた所、やはり海外製の木枠は左右互い違いのホゾになっている…この木枠は1本ずつの販売がされていた

 

現在日本では木枠は縦横4本(+大きさによって中桟が1~3本)セットで売られています。
私は異なる号数の縦枠・横枠を組み合わせて、規格外のいわゆる「変形キャンバス」に描くことが多いのですが、これには木枠を二組ずつ買う必要があります。
ムダが生じるんです。
これが前述の様に2本ずつ購入する事ができれば、上記のムダは発生しません。
更に販売店にとっても在庫が少なく済むメリットが生まれます。
例えば現在530mmの10号の縦枠は10号の縦枠としてしか使えませんが、これがF15の横、P20の横、M25の横にも使える様になるんですからね。(下図参照)

ほぞ組みは変わらずとも2本ずつ縦横バラバラで販売されるだけでも、自由な組み合わせによる製作が爆発的に増えるでしょう。
しかしそれだと間違って縦枠ばっかり2組み買ってしまうなんて事が起きるから、やっぱほぞ組みを変えて製造・販売するべきですね。
変形による製作が増えると、彼らは今私がかかえる問題と同じ問題を抱える事になりますが、数が増えれば自然と解決してゆくハズです。

例えば額縁の問題。
これは変形による製作が増えれば今よりモールディングが普及発展するでしょう。
額縁屋にはFの既成額ばっかり置きすぎです。
半分くらいに減らして、モールディングのサンプルをズラーっと並べてやってくださいな。

あと価格の問題。
日本では絵の値段というのは号数によって決まります。
これはもう既に破綻してますから。(※)
号数で価格・画料が決まるなんて、んなバカな。いい加減改める時期でしょう。

とにかく木枠のほぞ切りを変えるべきです。
縦横の概念が無くなれば、より多くの作家が、より自由な大きさ・形状で、作品を製作できる様になります。
ま、私などが今何言ってもどーにもなりませんが…
実現しようとするなら多少でも影響力を持つ様な絵描きにならないといけませんな。

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