あられ紋ワイングラス 2杯目

舩木倭帆さん作のあられ紋グラス
二杯目を大阪のお店「花染」さんからお譲り頂けました。
ネットで探し当てて電話で問い合わせたところ、今年の2月に展示会するのでその際にあられ紋が入荷したら取り置きしておいて良いとの事でしたのでお願いしておいたものです。
以前手に入れたものと比較するとかなりおだやかなあられで、正直もうちょっと凹凸があってもいいかなという感じ。
まあそれでも今回のものは脚の装飾といい、また魅力的なグラスなので活躍してくれる事でしょう。
同じようなもんばっか買いそろえてどーすんのと言われそうですが、並べてみるとかなり違うもんで。高さが3cmも違うと構図の上では使い方がかなり違ってきたり。
モチーフの配置をしている時に、もうちょっと大きければ…小さければ…ってのはよくある事です。
高さが足りない時には見えない様に何かを敷いたり、絵の上で操作したりするのですが。
さて次は…
舩木さんの作品集「普段着のガラス」という本が出ているのですが、その表紙にあるあられ紋が欲しすぎます。
いつか手に入れられますように。

丸栄ガクブチ製 ラウンド筆 R3020

以前、古吉さんのブログでも紹介しておられた丸栄ガクブチの筆。
>> 青木敏郎先生考案の筆
少し前に”あるお方”からなんと豪華五本セットを頂いてしまいました。恐縮すぎます。。
実は昨年、疋田画伯にも2/0号と0号を買って頂いていたので、今回ほとんどのラインナップを手にした事に。
一般的な丸筆と違い、毛足が短く筆先が丸みを帯びているのが特徴で、細部の為の丸筆ではなく「面で置く」為の丸筆と言うことになろうかと思います。
さほど多様な筆の使用経験がない私にこの筆は、新たな描画スタイルを開拓してくれました。
まだ「使いこなす」程ではなく多少大げさかも知れませんが、以下使用感などをレポート。
同じ程度の径を持つ平筆と比較した場合、丸筆である分 毛の量が多い為、絵の具の「含み」が断然違うという印象です。
その為、ポンポンと絵の具を置くのも心地よいですが、広い面を塗る作業も効率が上がった気がします。
また力の加減で絵の具を置く面積を調節できるので、使いようによっては平筆だと大きさの違う筆が2本、3本必要なところを1本で補えそうです。
▼赤い点々の上段がR3020の6号、下段は他社平筆4号。R3020の方が置ける絵の具の面積に幅がある事がわかるかと思います。
ただ、6号以下の筆は使いたての時、割と先端が尖ってしまいます。
▼4号と6号。使用頻度の低かった6号の方が油を含むと先端がまとまって尖る

細部を描くのには良いですが平筆の様に筆を滑らせて塗ろうとすると、下の画像の真ん中から左側の様な先端の尖った筆跡になってしまい、これだとボカシやグラデーションには適しません。
右半分の筆跡は筆を滑らさず、ポンと置いたものです。今は使っているうちにどれも先端の尖りが無くなってきた感じですが、これが筆にとっては良いことなのかどうなのか…。
8号以上の筆は、割と最初から尖った感じは少なく、ボカシにも使えます。
小さめの筆はより毛足が短くなるので結構なコシがあり、絵の具をポンポンと置くのが心地よいです。
柑橘系を描くのが楽しくなりますよ。その描き心地は、若干でもフェルメール気分を味わえるんではないでしょうか。
ぜひぜひ、おためしあれ。

レーマー三昧

年明けにチェコから到着したヴァルトグラス群は、相変わらずじっくりとした製作スピードながら、せっせこと描かれております。
いやしかし、私ごときが「あの」レーマー杯を、しかも幾種類も構成に応じて自由に配置し描く事が出来るなぞ、なんと恵まれた事だろうかと…ふと我に返ると改めて思います。
…という事で、また作品の部分画像をチラっと。
▼ああなんという魅力的なフォルム!
画像にあるレーマー杯の胴体には「プランツ」と呼ばれるツブツブの木苺の様な装飾が施されています。
これはあらかじめ型で成形されたストックがあって、後から本体にくっつけられたんじゃなかろうかと思われます。
どこかにこのプランツのみ発掘された画像がありました。
また今回購入したレプリカを観察しても、明らかに後からくっつけられたものがあります。
正式名称かどうかは知りませんが、以前紹介したドイツのレーマー杯のサイトでは「nuppen=にきび」と呼ばれています。
形状によって「ブラックベリーにきび」だったり、「トゲにきび」だったりしています。
下の画像、左側のヴァルトグラスは「ベルケマイヤー」という型らしいですが、これに施された装飾が「トゲにきび」になるのでしょう。
なかなかお気に入りで、描いてて楽しいトゲにきびです。

Willem Claesz Hedaがよく描いたのは、ベリーにきびではなくトゲにきびが施されたレーマーです。
こうして見ると幾分気色悪い感じですが、ここまで突き出た形状のトゲにきびが施されたレーマーは持っていないので、いつか手に入れて描いてみたいと思います。

再び 糸張り画枠(oversize strainer)

今までのお話 → 「糸張り画枠」 「続・糸張り画枠
糸張り画枠の描かれたGerrit Douの作品画像が見つかりました。
今度の画像は大きく、どのように糸が張られていたのかがハッキリと確認できます。

木枠に空けられた穴に通してあったり、木枠にくくりつけてあったり、結構めちゃくちゃです。
解説によると、木枠に空けられた穴とキャンバスのたわみが一致していない理由については、この画家は自分で地塗りを施したのではなく、プライマー(地塗り職人?)から購入したキャンバスを自前の木枠に張り直した為だろう…と書かれています。
地塗りを施したキャンバス生地はさほど伸び縮みしないので、他の木枠に張り替えたとしても地塗りされた時の形が残っているわけです。
しかし17世紀に地塗り職という職業が存在したんでしょうかね。
実はこの画像及び解説は、レンブラントの研究本に載っているもの。
本の中身が一部見られる、Googleのブック検索で発見しました。
どうも日によって閲覧可能な範囲が変わっているので、いつかは該当部分が読めなくなるかも知れませんが。
こちら
かなり充実した内容ぽく、安価なペーパーバックも出ているので英語読める方はいっちょ買っときましょう。


Rembrandt: The Painter at Work
著者: Ernst van de Wetering
出版社: Amsterdam University Press, 1997
ISBN 9053562397, 9789053562390
340 ページ

▼上の画像と同じくGerrit Dou作。木枠にくくりつけられてます。

▼V.van der vinneのエッチング。右奥に糸張り画枠

17世紀には、作品を描き上げた後にキャンバスを切り抜いたり継ぎ足したりと、製作後に大きさの変更がなされる事が多々あった様です。
そんな中で糸張り画枠の利点として、木枠から浮いたキャンバス布地は地塗りに有利であること、作品毎に木枠を準備しなくて良いこと、効率的に張り替え・張り直しができること…などが挙げられています。
他にも一回目のブログ記事に書いていた謎部分、糸張り画枠で描かれた作品が最終的な木枠へ張られる場合、「枠の裏側にまつりつけられるか、縫い糸を通して引張るかしている」…の現物写真も載っていましたが、その該当ページが現在プレビューできません。
まあ本が届いて解読作業が進めばまた書くこともあるでしょう。
という事で今日はここまで。

あられ紋ワイングラス

長らく探し求めていた例のグラスを入手しましたよ

舩木倭帆さんのあられ紋ワイングラス!

いやあ、探しました。
…といっても、私の探索手段はもっぱらネットのみですが。
以前記事にした廣田硝子の復刻版あられタンブラーは機械製で、やたら尖って掴むと痛い、攻撃的なあられ紋でした。
今回は正真正銘手吹きのグラスです。
そのあられのツブは微妙に形が不揃いで、柔らかく、まるで手触りが違います。
同じ舩木さんのあられ紋グラスでも、もうすこし背の高い、脚の装飾が特徴的な型もあるのでそちらも手に入れたいところです。
あ、もちろんモチーフ用です。

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