防音壁

私の部屋の隣は台所だが、会話が聞こえるくらい壁が薄い。
オーディオの導入にあたってこれではマズイと思い、とりあえず壁の中に断熱材をぎゅうぎゅうに詰めて遮音シートを張り、さらに石膏ボードを二重に貼る事で防音効果を狙う。
まずは石膏ボードをひっぱがすところからはじまる。
壁紙を剥がし、ビスの位置を探る。
ビスは打った後、目留めをして平滑に処理してあるので、パッと見ではどこに打ってあるか正確にはわからない。
しかし処理してある部分にはビスがあるという事なのでおおよその見当は付く。大体等間隔で打ってある(が、実際はかなりテキトー)ので、探り針を活用しながらマイナスドライバでグリグリとほじくり返す。
石膏ボードはてっきり縦貼りかと思っていたら横に貼ってあった。天下のタイガーボードだ。
上下からすきっぱのように出ている小さい板は、ボード同士を固定する為にあるらしい。
壁上部に横に走っている木材(付け鴨居?)は、実はボードに接着剤でくっつけてあるだけだった。
この木を今まで棚受けとして利用していたが、結構危険な事をやっていたかも知れない…。
壁内部の奥行きは10cmほどある。
筋交いがジャマしそうだが、ここに10cm用グラスウールを二重に敷き詰める事にした。

グラスウールはあまりぎゅうぎゅうに詰めすぎると断熱性能が落ちてしまうらしいが、今回は断熱よりも防音優先である。より密度を高くした方が効果的だろう。
高密度のグラスウールは高いので、ごく一般的な密度10kのものをヤフーオークションで入手。5坪分で送料を入れると4,800円ほど。それを2つ頼んだ。
画像をみると判るだろうが、印刷のない方(裏返している)のグラスウールが一層のみ入れた状態。これでも充分だが、さらにもうひとつ重ねたのが右の二列。パンパンである。
この上にヤフオクで仕入れた遮音シートを押さえながらタッカーで間柱に止めてゆき、その上に石膏ボードを貼ろうと思ったが、ふくらんだ断熱材を押さえ込む事が出来ずにムダに体力を消耗してしまった。
このふくらんだ断熱材をどうやって押さえ込むかが最大の課題となった。
合板を使うならかなり強引に留められそうだが、金がかかる(石膏ボードの倍)し、既にボードは近所のホームセンターで購入済みなのだ。
横に木を渡して押さえ込むとすると、また木材を買わねばならないし、厚みが増してしまいボードの二枚貼りが困難となってしまう。
そして私のとった手法はコレ。
ビニールヒモで押さえ込む。超安価。だが、すごい手間…
一度貼った遮音シートを外し、間柱の横にネジを打って、それにヒモを巻き付け、グラスウールを押さえてゆく。
タッカーでも留まりそうなので途中からタッカーに変更。より安価。
しかしもっと強力なタッカーでないと留まりそこないが多すぎて余計手間だった。
完全ではないが、なにもしないよりはかなり押さえ込む事に成功。
実験で石膏ボードにも充分タッカーが留まる事が判明したので、遮音シートは1枚目の石膏ボードを打ち付けた後にタッカーで留める事にする。
<つづく>

キャンバスの縦横比

以前から気になっていたキャンバスの縦横比について調べてみた。
下の表は、日本における現行のキャンバス(木枠)サイズ
(0,1,2,3号のP,M数値が抜けてますが悪しからず)

キャンバスサイズの規格はフランスで生まれたらしいが、日本では端数を四捨五入して尺寸に置き換えられ、その後メートル法導入にあたり更に端数が四捨五入された。よって中途半端な数値となっている。
上記の事から国内外ではキャンバスのサイズが若干異なる。
異なるといっても、10号以下の場合その差はミリ単位。
そんな事は国内で製作を続ける限り、なんら問題はない。
むしろ問題は号数によって全く違う縦横比だろう。
F,P,Mの三つの規格による縦横比の違いではない。同じFならFでも号数によって縦横比が全く違うのである。
下の表は、キャンバス(木枠)の短辺を1とした場合の長辺の割合を記したものである。

見事にバラバラ。
更にこの比率を元に、短辺を同じ長さとした四角い図形(F0~F20まで)を描いてみた。ちょっと見づらいが、縦横比の巾がこれほど広いものだという事は直感的に分かるだろう。SMサイズは独自の規格なのでまあどうでもいい(?)が、F10とF1,F4の縦横比などとても同じ規格とは思えない。これを見るとF,P,Mの規格の存在意義自体が意味不明である。
キャンバスのサイズというのは黄金比を元に決められているというのが定説だが、こうも違うと黄金比もへったくれも無いように思える。
ちなみに黄金比というのは1.618で、キャンバスではMがこれにあたるという事になっている。
…が、上の表を見てもそんな数値はどこにも出ていない。
縦横比がこうも違うと制作する上でかなりやっかいものだ。
あらかじめ何号に描くかハッキリ決めておかないと、たとえばF3号とF4号では構図の取り方が全く違ってくるではないか。
大きい絵を描く場合には、練習台も兼ねて下書きとして小さめのキャンバスに制作しておいて、それを拡大制作する事もある。その場合も面倒な事になる。

クレサンキャンバス

ものは試しでクレサンのキャンバス、細目の#12と極細目の#13を切り売りで買ってみた。30cm幅×210cmでそれぞれ4,305円と5,224円。
クレサンと言うと何となしに高級なイメージがあるが、某軽込氏によると機械塗りらしい。画材店のパンフレットには「(機械/手塗り)」との表記だった。型番によっては手塗りなのだろうか。ちなみにベルジュ製キャンバスは「(手塗り)」とある。

[上が#12下が#13 右下は20mlのチューブ]
[部分拡大]

「クレサンキャンバスは白い」と、どこかで読んだが、やけに薄い地塗りで生地が透けてみえるのでさほど白くはなく、言うなれば若干の灰色。独特のにおいがする。
地塗りに使われる顔料は以前はシルバーホワイトを使っていたみたいだが、今はジンクホワイトとチタニウムホワイトになってしまっている。
目は細かいが、表面はかなりデコボコしている。絵の具の食いつきをよくする為なのか。
クレサンジャパンによると「特殊配合グルー」を二層、地塗りを二層施してあるらしいが、光にかざすと裏面まで貫通している穴ぽこが多数ある。この穴ぽこが結構クセモノで、描いている間も悩まされる。
とりあえず#12の方に描いてみているが、絵の具の乾燥が遅い。
オイルキャンバスで吸収性がないからか、最初にイエローオーカーで薄く着色した層が乾くのに3日かかった。
もしかすると、この時油壺に若干ルツーセが残っていてそれにテレピン+リンシードを入れてしまったのかも知れない…とも考えるが…。ルツーセにリンシードを混ぜるととんでもなくネバネバして乾かない油になる事は以前書いた。
最初からつまづいたが、2層目の乾きも異様に遅く、その後の層は艶引けに悩まされている。 これもキャンバスのせいかどうかはわからない。

キャンバス選び

前回の作品(未完成だが…)からもう一月以上経ってしまった。
元来の遅筆に加えて昼間の暑さが更に制作を遅らせている。
はたしてF3号(日本では273x220mm)に一月以上かけている画家がどれだけいるだろうか。…とゆーかそんなに遅いヤツは絵描きで食って行けてないだろう。
幸か不幸か、裕福ではないが食うのには困っていないので実にのんびりとした日々を過ごしてしまっている。

市販の安物キャンバスの裏側にジェッソを塗った地はツルツルすぎてどうも描きにくいため、いよいよまともな(?)キャンバスが欲しいところ。
先日、神奈川に本社を置く「アダムスジャパン」という画材の激安店からセールのパンフレットを貰った。どれも相当に安い…が、ロールキャンバスは半額でも5,6万はざらである。
以前上京した時にアダムスの東京ショールームでフランス・ベルジュ社のキャンバスの切れ端をサンプルで貰ってきた。
B1とG1という中細目のものだがB1は表面の平滑具合がよろしい。
買うならこれだな…と思っていたが、このロールキャンバス、激安のセール価格でも56,700円。(定価だと126,000円)
サイズを計算してみると、210cmx10mなのでF3が240枚ほど取れてしまう。こんなの買ったらまさに一生モノだ。
切り売りはできないか聞いてみたら、ベルジュとフナオカのキャンバスだけは切り売り不可能と言われた。
ベルギーはクレサン社のキャンバスは切り売り可能との事なので、試しに超高級なフラット仕上げの極細目を1mほど買ってみようかとも思案中。
しかしクレサンのキャンバスはサンプルを貰ってなかった。
そしてこのキャンバス、ロールで買うと一巻12万円もする。定価だと218,190円…。一巻10mなので、単純計算でも1mあたり12,000円となる。ちょっとキケンな買い物だ。
キャンバスの目は「荒目」「中目」「細目」など呼び方はいろいろだが、メーカーによっても違うだろうし、見てみないと分からない。描き具合や発色はもちろん描いてみないと分からない。
できれば一揃いサンプルが欲しいところだが、そんな太っ腹な画材店は近所にはなさそうだ。そもそもクレサンやベルジュなど扱ってる画材店が、ない。
都会には住みたくはないが、画材をそろえるのにはやはり都会が便利そうだ。

キャンバス用釘 【タックス】

いつも思うが、タックスはなんでこんな不均質な形をしているのだろうか。一見いい加減な製造をしてある様に見える。先端こそ非常に尖っているが、トンカチでつぶしたような「軸」だし頭は楕円形をしていて「バリ」も付いてる。
「タックス」と言えば揃ってこの様ないい加減な形なのでそれなりの理由があるのだろう。

実際使い勝手はどうなのかというと、「普通の釘」よりもタックスの方が打ちやすい。
先端が非常に尖っているため、素手で押し込むとすんなりキャンバスを貫通して木枠に刺さってくれる。また胴体も短いため、タックス本体が倒れにくい。
書きながら考えてみたがたしかに「軸」の断面は、まん丸より潰れていた方が倒れにくそうだ。
通常、釘を木に打ち込む時は片手で釘を支えておく事ができる。しかしキャンバス張りの場合は片手でかなづちを、もう片手には張り機を持たねばならないので、釘を支える手が足りない。
どうするかというと、あらかじめキャンバスの上からタックスをある程度素手で差し込んでおいて、あとは支え無しでかなづちで打ち込む。
この事から通常の木工用の釘よりも、より倒れにくい設計でないとキャンバス張りはむずかしい。
よく見ると「軸」の付け根、頭の皿の裏側に出っ張りがついている。これもキャンバスのズレを防ぐ為の工夫だろう。という事は、キャンバスを張る方向に対してこの出っ張りが直角になる様に打ち込むのが正しい使い方だったのか。はじめて気づいた。

これで頭がまん丸ではなく楕円形をしている理由もわかった。頭がまん丸だと、裏側についているこの「出っ張り」の向きがわからない。

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