いきなりですが、キャンバス木枠は縦枠横枠の区別を無くすべきです。
現在日本における市販のキャンバス木枠は縦枠・横枠が決まっており、縦枠は縦枠として、横枠は横枠としてしか使えません。
つまり、ほぞの切り込みが縦枠・横枠で異なり、縦枠同士、横枠同士を隣り合う辺として組み合わせる事は不可能なのです。
このほぞ切り、左右互い違いのほぞにすれば、縦枠横枠関係なく組める様にならんかい?
なぜそうしなかったのか、また、なぜそうしないのか。
▲左右で互い違いにのホゾになっていれば縦横関係なく組める
海外の画材通販サイトでは2本セットで販売しているのを見かけます。
最初はなんで2本ずつなのかなと思っていましたが、上記の様に左右互い違いのほぞが切ってあれば、縦横関係ないので2本ずつのセットでいいのです。
▲改めて調べた所、やはり海外製の木枠は左右互い違いのホゾになっている…この木枠は1本ずつの販売がされていた
現在日本では木枠は縦横4本(+大きさによって中桟が1~3本)セットで売られています。
私は異なる号数の縦枠・横枠を組み合わせて、規格外のいわゆる「変形キャンバス」に描くことが多いのですが、これには木枠を二組ずつ買う必要があります。
ムダが生じるんです。
これが前述の様に2本ずつ購入する事ができれば、上記のムダは発生しません。
更に販売店にとっても在庫が少なく済むメリットが生まれます。
例えば現在530mmの10号の縦枠は10号の縦枠としてしか使えませんが、これがF15の横、P20の横、M25の横にも使える様になるんですからね。(下図参照)
ほぞ組みは変わらずとも2本ずつ縦横バラバラで販売されるだけでも、自由な組み合わせによる製作が爆発的に増えるでしょう。
しかしそれだと間違って縦枠ばっかり2組み買ってしまうなんて事が起きるから、やっぱほぞ組みを変えて製造・販売するべきですね。
変形による製作が増えると、彼らは今私がかかえる問題と同じ問題を抱える事になりますが、数が増えれば自然と解決してゆくハズです。
例えば額縁の問題。
これは変形による製作が増えれば今よりモールディングが普及発展するでしょう。
額縁屋にはFの既成額ばっかり置きすぎです。
半分くらいに減らして、モールディングのサンプルをズラーっと並べてやってくださいな。
あと価格の問題。
日本では絵の値段というのは号数によって決まります。
これはもう既に破綻してますから。(※)
号数で価格・画料が決まるなんて、んなバカな。いい加減改める時期でしょう。
とにかく木枠のほぞ切りを変えるべきです。
縦横の概念が無くなれば、より多くの作家が、より自由な大きさ・形状で、作品を製作できる様になります。
ま、私などが今何言ってもどーにもなりませんが…
実現しようとするなら多少でも影響力を持つ様な絵描きにならないといけませんな。
キャンバスってビスや釘で止めてあるのかと思っていたら
組み立てになっているのですね(^^;
はじめて知りました。
>か ず氏
数百年前はクギなどで固定していた様ですが、今は複雑なホゾも機械で簡単にやってのけますからね。
海外では金具で固定するものもある様です。
これも合理主義から来るのでしょうか、構造やバリエーションは日本のものと比較にならない程豊富な様ですね。
日本の絵画界の停滞と方向性の無さの元凶は旧習を変えようとしない絵画市場に関わる多くの人たちのように思われます。画商、画廊、画家、画材店、美術教育、美術を買う、鑑賞する側などなどみんなに少しずつ責任が乗っています。ネットの力は偉大です。氏の地道な活動と呼びかけが必ず報われる日が来ることを切に願います。
>あ さん
ありがとうございます。
一番の近道は影響力のありそうな方を取り込むか、関係者と仲良くなるか…なのでしょうが、それにはやはりある程度自分の地位を確立させないといけないのでしょうね…。
ネットは頼もしいツールとなってくれるかも知れませんが、人を動かすには才能やセンスが必要で、いずれにしても私は「適任者」ではあり得ないと思います(^_^;)
ごく身内や自分のお客さんくらいには、自分の考えなど伝えて行きたいとは思っています。
まあこのブログがその細々とした活動の一環ではあるのですが。